因果 Ⅱ

独り言
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認識

因果関係を単純に認識問題としたのがヒュームさん

昔からの哲学の命題でもある

事実と真実問題みたいなものだね

今のところ大勢を占めているのが

事実 存在は人間には認識できないという意見

人間が認識できるのは真実しかない ってこと

書き方がややこしいけど

ヒュームさんの主張は

時間経過に伴って変化する事象の

過去と現在という2つの事象の間に

必然的関係を設定するというのは

人間が勝手に結びつきの決定をしているだけで

ある意味たまたま起きた事象に

理由付けをしているだけじゃないか

そういった内容なんだろうね

カントさんは そこまで否定はしていないけど

人間の特性として抽象的判断というものがあるとしている

抽象的判断っていうのは

具体的な事象や詳細にとらわれないで

一般的で本質的な特徴を判断基準にする ってこと

たしかにこの方法だとより広い視野で

なおかつ全体的 抽象的概念を認識することが出来るんだ

概念的な判断や一般的概念

具体的でない概念を考えるときには

有利な思考だね

ただ物事の原因と結果というものを考えた時

実際には多くの複合的原因があるのにもかかわらず

抽象的判断をすると

一部にスポットが当たる可能性が高くなっちゃう

だから人間の原因と結果の連鎖や究極の原因なんかの判断は

抽象的推論が誤謬と矛盾に陥っちゃう可能性が高いとして

因果に対する人間の判断には

疑問を呈しているね

どうやらこの因果関係っていうものは

量子力学の観測問題に近いのかもしれない

「いつ どこで 誰が 何を なぜ どのように」

というニュース原稿なんかの基本の5W1H

これが人間の認識能力の基本じゃないのかな

量子力学の観測問題が議論されるのは

観測時点で波動が粒子として認識されるってことだけど

それ以上に問題なのが 

観測者・時点・状況によって結果が変わる可能性がある

そんな理論上の問題があるからだね

人間の認識能力

この限界がある限り ぼくたちには事実ってものを

認識することができないんじゃないかな

実在性

全ての粒子(物体でもいいけど)は

確立でしか表せられない ってことを

前提に据えたのが量子力学だね

前提というのはおかしいかも

物質波という概念を粒子に取り入れた結果

出て来た答えが確率だった ってだけのこと

粒子は状態として重ねあわされた状態で存在している

そういうことにしなければ理屈が通らなかった ってことかな

ということはこれまでの物理学

物理学じゃなくてもすべての人間の

思考の基本となっていた物理的なシステム 

存在は確定した状態にあるという

『実在性』というものに疑問が投げかけられた

そういうことなんだ

哲学の世界では「誰にも認識されない倒木」なんて

一部では議論されていたけど

ある種 思考のお遊びみたいなものだったかもしれない

モノは人間の観測が無くても存在しているのか

それとも人間の観測なしでは存在しないのか

普通の感覚の人間 

それ以上に現実をより精密に研究する物理学の世界では

足元が崩されるような感覚になったんじゃないかな

局所性

この言葉は業種によって使い方が変わるから

聞いている人によって

イメージが違うかもしれない

状態の変化は局所だけで起きて

その変化は他には影響を与えない

もしくは他に与える影響は

考慮に入れる必要が無いくらい小さい

そんな意味で使う業種も多いみたいだね

物理学でも使い方が変わっているみたいだけど

正確さを売り物にしている物理学

微々たる状態の変化についても

減少割合とか伝達速度なんていうものにもこだわっている

減少割合については個々の事象によって変わるけど

伝達速度については相対性理論が

主流を占めているようだね

要は物理的な相互作用の伝達速度は

光速を超えない速さで伝わるってこと

光の速度の限界に含まれるのは

けっしてモノだけじゃなくて情報もだよ ってことだね

局所実在論

実在性と局所性というのは古典物理

もしくは人間ってものの感覚の中で

土台となっている考え方のような気がするね

この二つの考え方をまとめて

『局所実在論』というのが物理学では

わりあい大切にされていたんじゃないかな

もともと物理学は人間の日常的な経験や感覚について

その本質を見つける ってところにあったんだから

当然のことだろうね

現実に目の前で起こっている物理現象が

その場ではそのまま事実として存在して

遠く離れた場所での変化・測定は

その場の状態にすぐに影響を与えるものではない

その考え方は納得できるような気がするんだ

ニュートンさんが引力の説明をしようとしたときに

遠隔作用の概念を持ち込まざるを得なかった

このことに本人自身物凄く抵抗感があった というのは

遠隔作用という概念は局所実在論に抵触しちゃうからなんだ

後年引力や電磁気力の伝達方法が

近接作用によるものだという説が出たときには

喜んだんだろうね

(もし天国というものがあってそこにニュートンさんが居れば)

力の伝達は近接作用によって行われる

そしてその情報の伝達速度は

光速を上限とする速さの中でおこなわれる

この局所性と 

物理的な現象は局所的な法則に従って

なおかつその物理量は実際に存在しているという

実在性をベースにしたのが

局所実在論ってことだね

非局所性

量子力学で近年とみに問題とされているのが

『量子のもつれ(エンタングルメント)』ってものみたい

最近のノーベル賞でもこの量子のもつれがテーマの研究が

とり上げられているものね

量子のもつれというのは

2つ以上の粒子が互いに強く関連しあっている状態のこと

関連しあっている粒子同士はお互いに

独立した性質を持っているんじゃなくて

ひとつのシステムとして存在しちゃっている

そういう状態のことだね

そうなると一つの粒子を観測した瞬間に

他の粒子の状態もわかっちゃうってことが起きてしまう

よく例に出されるのがもつれ合っている2つの粒子の

一方のスピンを確定できれば

他方のスピンも確定されるってもの

問題として2つの粒子間の距離がどれだけ離れていても

一方のスピンが確定された瞬間に

他方のスピンも確定されるってことなんだ

もし宇宙に有限な大きさがあったとして

その端と端にもつれた粒子があった場合でも

瞬時にしてその情報は伝わっちゃうってことだね

これって これまで基礎とされていた局所性に

反しちゃうってことになる

情報が光速を超えて というより

距離を無視して伝達する

これって遠隔作用ってことになっちゃうんじゃないかな

量子力学のこの考え方が『非局所性』だね

EPR論文

アインシュタインさんたちが量子力学に

疑問を呈していたことが顕著にわかるのが

EPRパラドックスらしいね

表面だけなぞるとすごく単純な命題なんだけど

本質はそんなに簡単なものじゃないんだろうな

ぼくが書くなんておこがましいけど

少しだけ触れておこう

まず アインシュタインさんらは

局所実在論を是としていた ということが前提だね

実在論から考えると量子力学の粒子は観測されるまでは

重ね合わせの状態であるという説自体に

反対の立場だったってこと

元々の論文は位置と運動量が

確定しているという状況で書かれていたみたいだけど

不確定性原理の部分にも触れなくちゃならない

だから現在でよく使われる説明が

粒子のスピンの相互作用についてだね

どちらにしても主眼は量子もつれの話になるんだと思うよ

ある粒子が何らかの理由で崩壊したとしよう

その時相反する粒子 

たとえば電子と陽電子が放出されたとするよ

この二つの粒子は重心系で考えると

それぞれ正反対の方向に飛んでいくことになる

そして例えばスピンを考えると

二つの粒子はそれぞれ反対方向のスピンを持っていることになるんだ

なんとなく都合のいいような話だけど

あくまでもこれは『思考実験』

じっさいに観測されたものじゃないから

単純な形を保っていると考えていいんじゃないかな

さて それぞれ別の方向に飛び出した粒子の

片方(どちらでもいいけど)を観測できたとしよう

その結果スピンもわかったってこと

そうなると別の方向に飛んでいった

もう一つの粒子のスピンもわかっちゃうよね

なんといっても二つの粒子は相反する性質を持っているんだから

EPRパラドックス(EPR相関)

この思考実験からなにが得られるのか?

一方の粒子のスピンを観測すれば

必ず他方の粒子のスピンもわかる

このことは理論上何の問題もない話

たとえ相反する粒子の距離が

天文学的距離になったとしてもその事実は変わらない

そこまでがEPR論文の要約だね

(あまり自信は無いけど)

分かれた粒子の存在はどちらも実在している

これも否定はされていないみたい

そうなると困った問題が出てくる

局所実在論をベースに考えると

ある地点での実験・観測が瞬時に他の実在するものに

影響を与えるものではない ってことになっているんだ

近接作用がベースだからね

そしてその情報伝達のスピードは

光速を超えないってことにも

だとすると片方の粒子のスピンの向きを観測したからと言って

その情報が他方の粒子のスピンに影響を与えたとするのは

おかしいんじゃないか ってことになっちゃう

だからもともと粒子の分裂という物理現象に対して

相反する粒子に与えられる変数があるんじゃないか

というのがアインシュタインさんらの意見みたい

この『隠れた変数』 要するに

まだ人間に解明されていない物理現象に対する

見えない要因が存在するという主張なんだ

量子力学の量子の確率的重ね合わせの理論は

隠れた変数の発見までの統計的記述でしかなく

根源的な物理理論じゃないってことだね

一方 量子力学では量子の位置・運動量は

観測するまで確率でしか語れない

よく言われる重ね合わせの状態にあることになっている

量子力学の考えだと一方の粒子のスピンの向きは

観測するまでいくつかの方向の重ね合わせ

そういうことになっちゃうよね

だとすると 観測するまでは実在が確定できない

そして一方の粒子の確定が行われて初めて

他方の粒子の確定もおこなわれるはず

だから 物理的情報が光速を超えて

瞬時に行われるのかどうかは別にして

ある地点での実験・観測が瞬時に他の実在するものに

影響を与えるものではない という

局所実在論の定義とされている仮定が

間違っているのではないか

それが量子力学側からの反論だね

さて どうしたものか

現在のところアインシュタインさんの隠れた変数説は

数学理論的に否定されているみたい

量子力学の粒子の確率的性質に軍配が上がっているみたいだね

存在の根本は物理的実在なのか

それとも確率的存在なのか

この議論はまだまだ続きそうなんだ

もしかするとどちらも違っているかもしれないけど

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