リヴァイアサン

雑学を収集しようじゃないか雑学
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    ホッブス

ベーコンさんとほぼ同時期のホッブスさんも紹介しておこう。

哲学者なのか政治学者なのかはひとまず気にしないで

ベーコンさんの秘書みたいなことをやってたこともある人なんだ。

ベーコンさんにしてもホッブスさんにしても

もともとは裕福な家の出の人。

ベーコンさんは貴族出身だし、ホッブスさんは牧師さんの息子さん。

牧師さんが金持ちだったのかどうかは

知らないけど、まあ上流階級の息子さんたちだったんだろうね。

ともに途中不遇の時代はあるみたいだけど

本当の意味での庶民ってわけじゃなかったんじゃないかな。

不遇なんて上から見るか下から見るかで変わっていく。

上流階級のなかでは不遇だったってだけじゃないかって

勘ぐってしまうのは、ぼくのひがみかも。

ベーコンさんもそうだったけど

ホッブスさんも哲学者って呼んでいいのかどうかは悩むところ。

もっとも「哲学者」ってのが何を指すのか?

という問いにはこたえがありすぎるから

しかたがないのかもしれないんだけどね。

ぼくのイメージの中で、哲学者を物事の本質を

考察する人々ってしているだけで

本来は「知を愛する」なんだから

どんな学問だって、『哲学』って呼べるのかもしれない。

現在じゃそれぞれ細分化されている学問に名称がついているだけで

ぜんぶひっくるめて『哲学』でもいいことにしようか。

だからかもしれないけど

時代が進むにつれてどうやら観測対象が変わっていくみたい。

ギリシャの哲学者たちは科学者って感じだったけど

近世の哲学者たちは政治家って感じを受けるんだ。

哲学がより実践的になってきたと思えばいいのかもしれないけど

技術が進んで明日の命がある程度保証されてきたからかもしれないね。

で、ホッブスさん

国家とは何か?

ってところに切り込んできた。

なぜ国家というものが成立するのか?

国家と国民と個人の関係はなんなのか?

そのあたりをまとめた書物を出したんだ

題名は『リヴァイアサン』。

    万人は万人に対する狼

さきに言っておかなくっちゃいけないな。

この『リヴァイアサン』って本をちゃんと読んだわけじゃないってことを。

解説やら、抜粋で分かったような気になって

なおかつ、適当に偏見に満ちたじぶんの感覚で書くだけだから

興味のある人は本書をよんでもらったほうがいいかもね。

リヴァイアサン

ぼくが最初に思いつくのはFFのなかの召喚獣。

そこそこ強いんだけどなかなか使う機会がなかったように思うけど。

ホッブスさんのリバイアサンってのは

どうやら『国家』のありようをたとえている感じなんだ。

もともとリヴァイアサンは旧約聖書にでてくる海の中の大怪獣。

悪魔ってとらえ方のほうが強かったんだと思うよ。

七つの大罪のなかでは『嫉妬』の悪魔ってことになっている。

ただ、ホッブスさんは絶対的強者として

国家をリヴァイアサンと呼んで

どちらかといえば人間に秩序と平和を与える

神のような存在として名付けたようなんだ。

なぜ強大な力を持った国家が必要なのか?

なぜなら人間の社会は

「万人は万人に対して狼として存在」

「人の世は万人の万人に対する闘争」

でしかないからってことらしい。

素人ながらの簡単な解説をしてみようか。

人間って何だろう? という問いかけに

前提1:生き物ってのは自己保存の本能が一番強いとする。

前提2:人間ってのは未来・将来のことをあれこれ考える生き物である。

って前提を置くことにしちゃう。

まず1番目

たしかに生物の三大欲求

『睡眠欲』『食欲』『性欲』

この中の二つは自己保存のための欲求だよね。

『性欲』だけは種族保存の欲求だけど

2vs1で自己保存が一番強いってのは認めてあげてもいいんじゃないかな。

2番目

ほかの動物のことは調べていないからしらないよ

でも、過去にあったことで学習する動物はいるけど

将来を悩んでいる動物ってのには出会ったことがないよね。

もっともこれも専門家に聞いてみたほうがいいかもしれない。

じつは将来が不安で夜も眠れない犬や猫がいるかもしれないんだから。

間違いなく言えるのは

人間は先のことでくよくよ思い悩むってこと。

老後にお金をためておこうとか

年金のことをあれこれ考えるのはその表れでしかないでしょう。

この前提をふまえて

次にいくよ。

    きりのない欲望

今現に危機が迫ってないとしよう。

現状、平穏な時に将来のことを考えるってことと

じぶんを守ろうとすることが重なり合えば何が起きるのか?

将来もじぶんが平穏に生きていくためには

少なくとも食い物が確保できるようにしとかなくっちゃ

って思うんじゃない?

今でもそう

今だったら食い物って直接的なものじゃないけど

将来のために貯金をしようとする

ってのとおなじことだね。

ホッグスさんは食料のことで論旨を展開させているけど

きっとその時代時代で不足しそうな貴重なものは

変わっていくんだと思うよ。

『食料』が今だったら『金』、いつかは『水』や『空気』なんてね。

有限の資源への限りない欲望を人は持ってるってこと。

ほかの動物なら資源が尽きたころにあたふたするけど

将来を憂う能力をもった人間は

ひたすらじぶんのまわりに資源をかき集めようとするんだよな。

でも資源って有限じゃん

集めるためには他人から奪う

もしくは他人の必要とする分までじぶんが独り占めする必要があるんだ。

つねに他人より有利な立場にじぶんがいないと

心配でしょうがなくなるってことだね。

でも「他人より」という相対的な欲望ってやつは

きりがないんだよな。

だから人間の欲望は無限の欲望だっていわれるんだけどね。

そうして人間の敵は人間、すなわち

「万人は万人に対して狼として存在」ってことになっちゃうってことだよ。

でも個人vs個人だと、どんなにがんばっても

ぜんぶの資源の独り占めはできない。

無限の欲望を満たすほど

個人の力は強くないもんね。

そして、ある程度じぶんのもとに資源が集まれば

他者が盗みに来ることの危険にも備えなければならない。

せいぶつの生存競争の原理と似ているように思うけど

せいぶつの生存競争は一時的なものなんだ。

狩るほうは腹が満ちればそこで納得して

それ以上狩ることに労力をつかおうなんて無駄なことはしない。

まわりすべてを狩りつくそうとするぐらいなら

昼寝でもしようよってところだね。

でも人間ってやつはまわりの獲物だけじゃものたりなくて

ありとあらゆる獲物を狩りつくそうとするんだから

こまったもんだ。

もっともそのおかげで

この地球の覇者になったんだけど・・・

    国家との契約

人間の本質はすべてを奪い取ろうとするものだってことは

良い悪いの問題じゃなくてもともと人間に

そなわっている感覚だってことなんだろうね。

これは前に書いた人間とは? の前提2

人間てのは将来のことをあれこれ考える生き物である。

だから、しかたがない。

でも奪い取られるのは嫌だよね。

ましてや殺されたりするのはごめんこうむりたい。

これも思想の問題じゃなくて、前提1の問題。

生き物ってのは自己保存の本能が一番強いとする

ってのにひっかかる。

そうなんだ。

人間てのは矛盾している生き物だってこと。

じゃあ、どうしたらいいの?

ここでも前提2の将来のことを考えるって本質が出てくる。

自分の持っているすべてを奪い取ろうとする欲望と

じぶんが安全でいたいという欲望を

なんとかバランスのとれる範囲で

ちゃんとした人(神とかいう目に見えない存在にではなくって)に

ゆだねたらいいじゃないかってのが

ホッブスさんの結論。

そうだ、国家ってのにゆだねようじゃないか

ってところに落ち着いたわけだ。

でも、国家にゆだねるっていっても国家に従属するのは嫌だよ。

君(国家)とぼく(個人)は対等な契約関係でないとおかしいじゃない。

でも、ほっておくと大変なことになるんだから

どこまでがよいか悪いかの判断は君に任せるよ。

ってことだね。

そこまで任せられる相手は

知性においても力においても

絶対に近い強大な力がないと安心できない。

だからホッブスさんは国家をそれだけの絶大な力を持った

『リヴァイアサン』と名付けたってこと。

なんのことはない組織のできる過程の理論ではあるけど

国家が絶対で、国民は国家のために奉仕すべきというこの時代の中で

この契約関係の発想を発表したのはすごいことなんだ。

もっともリバイアサンの発想で

個人間のトラブルは解決するかもしれないけれど

その上にはリヴァイアサン同士のトラブルが

待っているって計算はたたなかったみたいだけどね。

これはどんな組織にも当てはまることなんだけど・・・

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