セカンドと世界

散歩の途中
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セカンドとは

――多量の『意』を抱えて誕生してしまった星では

定められた時間内に解放を完了するために

生命の誕生 複雑化を目指す必要があるのさ

高度な生命体を 

おれたちは『セカンド』と呼ぶが 

発祥させる確立はさほど多くはない

だが 多くはないが星々の数からいえば

けっしてありえないようなものでもない

いってみりゃいくつかある

特異例の一つでしかないんだ――

どうやら生命というものは

多すぎる意をなんとかするための

単純な装置か部品ってことなんだろう

わたしたち人間にしても 

すこしは複雑なのかもしれないが 

その装置の一つ

そして宇宙全体を見れば

それほど驚くほどの存在ではないってことらしい

――複雑な生物になれがなるほど

意の開放スピードがあがるからな

だから 中にはセカンドと呼ばれる

複雑な生命を誕生させなくては

間に合わない星も出てくる

セカンドなんてしゃれた名前をつけてるが

ようするにおまえら人間みたいなもの

訳の分からない勿体をつけた定義で表せば

『己の感覚器官で感知できない事象を認識する能力を持ったもの』

ってことになる

要するに 日々生きていくことに関わりのないことを

あれこれ考えるやつらってことだ――

そりゃそうだ

今を 今日を

生き延びることに全神経を集中している人間なんて

戦争の最前線に立っている者くらいだろう

わたしにしたって根拠は無い癖に 

なんとなく明日が来ることを信じている

――当然ひとつの疑問がでてくる

長年積み重ねる進化という手間をかけずに

はじめからセカンドの要素をもったものを発生させれば

話は早いじゃないかと

答えは簡単

セカンドを水汲みバケツ

最大でも排水ポンプの位置にとどめるためには

長い年月をかけた刷り込みが必要なのさ――

進化による刷り込みとはなんだろう? 

わたしたちが遺伝という

過去からの遺産によって縛られていることは確かだけど

実際のところ何を刷り込まれているというんだ?

――セカンドが持つ他の生物たちとの特異点

そいつは直接知覚できないものを認識する能力

それがあるからより多くの意を汲み出せるのか

より多くの意を内包するために

そういった認識能力を持ってしまうのかはわからない 

ただ その能力が完全に解放されれば

時と色とのバランスが崩れてしまうってことさ――

直接知覚できないものを認識する能力

この言葉がよく出てくる

想像力とかそういったものなのだろうか

想像・空想・妄想それ以外にも予見や忖度なんてものもある

ただ それが時と色

ってことはこの世界に

影響を与えるなんてことがあるのだろうか

――『知覚できないものを認識する能力』 

その能力がファーストへの移行を促さないための

進化の刷り込みが必要になる

だからセカンドの最終型は

どうしても型にはまってしまうものさ――

また出た

『ファースト』ってなんだ? 

わたしたちがセカンドだってことになると

それより一段上の存在ってことになるのだろうか

もしかしたら『神』とかそういったものだろうか

セカンドの定義

メモに従って書いていくと

どうにも話の本筋が見えないね

初めの目論見とは違ってくるけど

ぼくの理解している範囲で

セカンドっていうのを書いてみよう

断っておくけど

あくまでも今のところ狭い領域の

バイアスでってことだからね

星は誕生してから56億7000万年という

寿命を持っている(らしい)

その時間と空間を測定するために

意が砂時計みたいに

計測しているんだそうだ

砂時計は基本的に

時間を計るものだから

わかりやすいように(イメージで)

時間を計っているってことにしよう

その砂時計に

決められた砂の量より多くの砂が入

っていたとしようよ

時間を正確に測るのには

砂の量を減らすか

落ちていく穴を大きくするかして

時間調節する必要があるよね

その多すぎる砂の量を調節するために

生み出されるのが生命っていうこと

『散歩』ではスプーンやバケツ

なんて言い方がされているけど

単純に多すぎる水のたまった

水たまりの水を掻い出すものってことだね

水の量が それほど多くないときには 

小さいバケツで掻い出すだけで十分だけど

あまりに多くの水が溜まっちゃうと

でっかいバケツが要るってことみたいなんだ

その大きいバケツ(排水装置)の最終形が

『セカンド』と呼ばれる

簡単に言えば

ぼくたち人間みたいな生物なんだね

要は 人間なんて

ただのバカでかいバケツってことらしい

セカンドの異常性

『散歩』に書かれていることが

どこまで真実なのかはわからないけど

(なんといってもどこにも根拠ってものが出て来ないもの)

セカンドが 大量に詰め込まれた意の

排水のための最終装置ってことになると

やはりそうとうの

負荷がかかっているみたいなんだ

適正な分量の意が内包された星では

決められた時間内に

自然に意は開放(水で言うなら蒸発だね)

するらしい

生命は その命という容器に

その命の持ち分より多めの意を詰め込むためのもの

自然開放の時間より早いタイミングで

命という容器が壊れることで

余分な意を開放する仕組みらしい

だから スプーンやバケツという例えよりも

ガラス瓶の容器に

意を詰め込んでいるとしたほうが

良いのかもしれない

ガラス瓶が割れることによって

意を汲み出しているってイメージだね

最終手段としてつくられるセカンドだと

自然消滅では数千という年月がかかるのに対して

肉体の存続期間の年月は

百の単位のオーダーってことらしい

もちろん セカンドと言っても

その種類はまちまちだろうけどね

人類でいうならば

その汲み出す意は

自然消滅だと約3000年分らしいんだ

ところが肉体の方はといえば

百数十年の存続期間しかないってことだね

意の目的は観測すること

観測機器としては

3000年の時間と空間を観測できるはずなのに

耐用年数が百数十年となれば

人間ってものが混乱するのは仕方が無いらしいんだ

そのうえ セカンドの特性として

知覚できないことを認識する能力

っていうのがあるらしい

それが想像力っていうものなのか

ただの妄想か推理力なのか

そこのところは詳しく書いてなかったけど

その能力のおかげで

肉体寿命と精神寿命のギャップを埋めるために

あれこれ理屈付けするんだそうだ

肉体の死というものを

そこで終わりとはせずに

循環の一部に例えたり

死後にもまた別の世界を設定したりする

って書いてあるけど 

たしかにそうかもしれないね

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