『意』 無秩序な観客

メメント・モリ散歩の途中
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入り過ぎた観客

――『意』ってやつの問題はこれだけじゃない

本来なら小屋に見合った数の観客が集まるもんだ

だが、何かの間違いで観客の数が多すぎることがある。

さっき言っただろう

意は自身を削っていくことで観測しているのさ。

観客が多すぎるってことは

砂の落下速度を早めなきゃならなくなる――

漠然としたはなし。

オチがあるのか無いのかさえわからない。

話に付き合おうと思ったのは

やはり気の迷いだったのかもしれない。

――意の総量が多かろうと少なかろうと

上演時間は57億年、こいつはかわらない。

観客の多いところはそうとう無理をしなくっちゃならないのさ――

訳の分からないことを

当たり前のことのように言われても

『それがどうした!』としか

返す言葉は無いだろう。

――俺が生まれた星も観客であふれた星のひとつだった。

多量の『意』を抱えて誕生した星は

定められた時間内に解放を完了するために

生命の誕生、複雑化を目指す必要がある――

このエオと名乗る男は

ひととの会話に慣れていないのだろう。

でなければ、同じ環境にいるものとしか

コミュニケーションをとったことが無いかだ。

違う土俵にいるものに伝えるというプレゼン能力が

あきらかに不足している。

――観客であふれた星の存在する確率は微々たるものでしかない

それでもこの宇宙の星の総数から考えれば

けっしてあり得ないというほどのものでもない。

なんといってもこの宇宙に星は「星の数」ほどあるんだからな――

最後のは冗談なのかもしれない。

笑ってやったほうが良いのかもしれないが

反応する気も失せていた。

時間に物に観客? 宇宙が生まれて何年? 宇宙の寿命?

なんのことだ?

そしてそのはなしがどんな意味を持つというのだ?

――わけがわからないって顔をしているな。

知識のないものにものごとを説明するってことは

むずかしいもんなんだぜ。

なにより、こいつはおまえの質問に答えているだけのことなんだし――

わたしの質問?

なんのことだ?

急展開

メモに従って順番に書いていくと

こうなっちゃうんだよな。

もしぼくが目の前にこの文章を出されたら

それこそ相手のプレゼン能力を

疑ってしまう。

ぼくには全体と書かれていない行間が

わかっているからついていけるけど

そうじゃなければついていけないよな。

ごめんなさい。

今書いている「散歩の途中」は

『不確定性原理』の勉強不足を

埋めるための時間稼ぎってことで

書いているんだけど

勉強中の量子力学の中に出てくる

『場』の考え方と

散歩の途中に出てくる

『意』の考え方が

ダブってしまって仕方が無いんだ。

こう簡単にさらっと書かれちゃうと

今調べてることはなんだって思っちゃうけど

「真実はつねに無知なるものをおかしがらせる」

そうだから仕方がないかもなんだけどね。

まだ完全には理解してないんだけど

『空』(物だと思ってくれたらいいよ)には

かならず『場』ってものが存在するって

ことらしい。

現状の物理学では

思い切り短い時間の中で

相反するエネルギーが発生しては

消えていくってことがおこるってことが

どうやら認められているらしいんだ。

真空の中でもおそろしいほどの

短時間の間に物質と反物質が

現れては消えていくなんて

SFでもなかなかお目にかかれないような

荒唐無稽なはなしが

現実に研究されているから

困ったもんだ。

このあたりの説明は

ぼくの理解がある程度まで出来たら

早急に量子力学に戻って書き出すから

それまで保留ってことでお許しを。

今のところは根拠のない説明でしかないけど

はじめの書き込みに注釈しておくね。

注釈

『星』にはというか『物』には

その存在と同時に『意』という

場がくっついているってことだろう。

星が生まれると同時にそこには『意』がある。

これって別にあってもおかしくはないよね。

もっともその『意』ってものに

物理量があれば問題はあるけど……

『意』は何のために存在するのかっていうのは

まえにも出て来たけど

ただ在るだけの空や時を存在させるためっていうのも

そういうことかと思っておこう。

そう『意』っていうものは計測器。

要は砂時計みたいなもので

じぶんの身を削り落とすことによって

計測している。

これもそんなもんかでいいんじゃない。

ただ『意』っていうのは

わりあい気まぐれだから

星ひとつの観測に必要な量以上の『意』が

星のまわりに集まってしまうってことがある。

ただどれだけ多くの『意』が集まろうと

星の寿命というものは一定。

だから観測の間に流れ落ちていく砂の量は

必要以上に多くの『意』が集まってしまった星では

大量に放出しなければならなくなってしまう。

その大量に放出していく手段として

そうした必要以上に『意』が集まってしまった星では

『生命』というものを

誕生させる必要が出てくる。

そういうことだと思うんだ。

というかぼくはそう解釈している。

なんといってもこの先まで読んでいるんだからね。

わたしの質問?

なんのことだ?

「この小屋ってなんなのですか?」の答えが

多岐にわたるっていうのは

わからないでもないけどね。

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