ブラックホールに近づいたら?

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あくまでもおとぎ話(Aさんの場合)

またひとつ仮定の話をしてみよう。

あくまでも作り話

おとぎ話だって思ってね。

地球から10光年離れたところに

ブラックホールがあるってことにするよ。

(実際にあったら大変なことだけどね)

そしてまた人物ABにも登場してもらう。

Aはロケットに乗って

地球のそばを光速の99.9%の速度で

通って10光年先のブラックホールに向かう。

Bは地球でそのAの宇宙船を

観測しているという設定。

なぜ地球からロケットが

出発しないのかという疑問は

特殊相対性理論の

加速減速の計算をするのが

面倒だからってだけ。

まずA、ロケットの搭乗者の立場で

考えてみようよ。

光速度の99.9%の速さで飛ぶ

ロケットに乗って

地球から10光年離れた

星(ブラックホールだね)に向かうと

164日でブラックホールの近くまで

接近することになる。

(この日数は特殊相対性理論で計算してね)

目の前に何がみえるのか? って

これはまだだれも見ていないから

わからないけど

予想ではただ真っ黒な

穴があることになるんじゃないかって意見が

今のところ大勢を占めているね。

もしくは近辺に着いたといっても

まだシュワルツシルト半径の外側で

ブラックホールに引き寄せられた物体の

降着円盤がみえるとするならば

そうとうな明るさの

真っただ中にいることになるのかもしれないとも言われている。

このシュワルツシルト半径

(事象の地平面とも呼ばれているね)

ブラックホールと外宇宙の接点は

光も情報も出てこないとされているんだから

今のところ確たる観測結果が出ていないんだから

こんなあやふやな言い方で

許してもらいたいな。

最近の研究じゃ

事象の地平面なんてなくて

ただの高密度の星だよなんて

発表もあるくらいなんだから

内容がわかるまで

もう少し時間がいるんじゃないかな。

正確なところはわかっていないんだし

どうせぼくは研究者でもないんだから

思い付きでひとまず

目の前に真っ暗な穴があるってことにしておこう。

特異点

数学上ではよく出てくる概念。

理論上だとそれを想定に入れても

問題はおこらない考え方かもしれないけど

はたして物理学に

その特異点という考え方を

入れてもいいんだろうか?

これってよく議論されている問題だね。

なんといっても物理学って

人の認識できるものごとを

解明していくっていうのが

本筋だと思うんだよ。

『特異点』なんてものを

簡単に認めちゃったら

それこそなんでもありってことに

なっちゃうってことになるんじゃないかな?


やはりそのこと(特異点問題)も

学会では意見が分かれて行っちゃうみたいだね。

なんといっても量子力学の登場が

この混乱の一番の

原因のような気がするけど

相対論にも

この『特異点』の概念が

出てきちゃうんだから。

前に出て来たホーキングさんなんかが

相対論の研究の果てに

行き着いたのが

重力の特異点って考えかた。

とうぜんブラックホールに関わってくるんだけど

簡単に言えば

「重力場が無限となるような場所」の

存在ってことなんだ。

そしてその『無限』って概念は

数学にはあるけど

物理学には無いんだよな。

もちろん地球上でも

それ以外の天体でも

質量のある限り

重力ってものは働いているよね。

でもブラックホールの重力っていうのは

比較するにも値しないほど

大きいってこと。

なんといっても

光さえ出てこれないんだから。

そうなると空間の歪みだけじゃなくて

時間さえ歪んでくる。

(一般相対性理論の解がそうなっちゃうんだ)

そしてそのブラックホールが

より高密度になって行くと

時間・空間ともに無限に『0』に近づいて

やがて物理学では考えられない

『0』という『特異点』が

出来ちゃうってことになっちゃうんだ。

もう一つ

ブラックホールが

外宇宙に及ぼす影響は

観測できる。

でもその内部

事象の地平面の中は

どうしても観測できないってことに

なるんだよね。

だから外部(たとえば地球にいるBさん)には

事象の地平線までしか

わからないってことになるんだ。

だったらこれは

物理学の対象にしていいんだろうか? って

疑問も出てくる。

『神』様がいる可能性が高い

理論的にもそう言える。

だからといって『神』を

物理学の対象にはしないのと同じ。

でもこれは外にいる人(Bさんとか)のはなし。

ロケットに乗っているAさんにしてみれば

事象の地平面っていうものは

鍵のかかっている

扉でも何でもない。

別にロケットの行く先を

妨害する塀があるってことじゃないんだ。

だとすればもしブラックホールの

内部が知りたければ

Aさんみたいに

ブラックホールに突っ込めば

いいだけのはなし。

となるとこれは物理学の

命題になるんだよね。

もっとも突っ込んだAさんから

観測結果をBさんに送ることはできないし

なによりどのあたりまで

Aさんが生存しているのかは

疑問だけど。

おとぎ話(Bさんの場合)

こんどは地球に残った

Bさんからブラックホールへ向かった

Aさんがどう見えるのかを

考えてみよう。

Aさんの乗ったロケットは

順調に光速の99.9%で

ブラックホールに向かって

飛んでいく。

Aさんのロケットが

光学的(望遠鏡でどう見えるか)に

どう見えるのか(ロケットは縮んでるはずなんだ)は

わからないけど

10年と4日ほどで

Aさんはブラックホールの

近郊にいることが

観測されると思うよ。

問題はそこから。

Aさんがブラックホールに近づけば近づくほど

BさんにとってAさんのいる

時空間の歪みが大きくなっていく。

ここでも相対論

時空間の歪み(曲がりでもいいけど)が

大きくなればなるほど

Bさんにとっての

Aさんの時間(時計)は

遅れていくんだよね。

そして事象の地平面に到達するときには

Aさんの(Bさんから見た)時間は止まっちゃうって

結果になるはずなんだ。

おかしな話だけど

今のところ計算上では

そういったことになるんじゃないかって

言われている。

Aさんはロケットで地球の傍を

通ってから4か月ほど

宇宙旅行をして

そのまま速度を緩めずに

ブラックホールに突っ込んでいく。

その後何が起こるのかはわからないけど

もし数舜でも命や感覚が残っているのなら

ブラックホールの内部が

どんなものかAさんは見ちゃうってことだね。

ではBさんの方はというと

10年かけてAさんがブラックホールに向かって

飛んでいくのは

観測できている。

ブラックホールに近づけば近づくほど

Aさんのロケットが

速度を落としていくのも

観測できそうだね。

そしていよいよ事象の地平面に

近づいていくと止まってしまったように

見えるはずなんだ。

正確に言うと

限りなく事象の地平面に

近づいていくけど

けっして事象の地平面には

到達できないってことになるってはず。

これって10年後のはなしだけじゃなくて

1001000

極端に言えば100億年先でも

Aさんのロケットは

ほとんど変わらずに

事象の地平線の傍にいることに

なるんだよな。

もっとも地球が

100億年先まであるとは思えないけど。

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