エーテルと光

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エーテル

『エーテル』 

これまでに何度も書いてきたけど

デカルトさんがイメージしていた

『エーテル』というものは

現代ではほぼ否定されているよね

ぼくは この『エーテル』という概念が好きだから

どちらかというと肯定的に紹介しているつもりなんだけど

それでも『エーテル』=『微細物質』 という考え方じゃ

無理があるってことは仕方が無いように思えちゃう

ただ エーテルを物質という捉え方じゃなくて

『なにか』が宇宙空間すべてを覆っているということは

考慮に入れてもいいんじゃないかとも思っているんだ

現代はやりの『場』という考え方や『素粒子』の概念の導入なんか

『エーテル』に代わる『なにか』 だといっても

良いような気がするものね

『なにか』が場や素粒子みたいな

実在するものでなくてもいいようにも思うよ

量子論の得意とする宇宙は『演算子』で満ちている

みたいな考え方もそうじゃないかな

エーテルはひとまず置いておいて電磁気学に戻ろう

1600年代半ばでは

ニュートンさんの光=粒子説と

フックさんの光=波動説は

論争を起こしていたけど

ホイヘンスさん以降の実験・研究が

波動説の方に軍配を上げるようになっちゃった

光には粒子の性質もあるんじゃないか という 

『光量子仮説』をアインシュタインさんが発表した

1905年くらいまでは 光=波っていうのが当たり前だったんだ

マクスウェルさんが活躍していた1800年代は 

ほぼ「光は波である」という仮説が正しいとされていた時代

そして 電磁波理論で

光は電磁波の一部だってことも定着したってことだね

光=波

光が 波というか

電気と磁気が相互作用を起こして

波のように伝わる(電磁波だね)としようよ

波というのは

状態の変化が伝播していく状態のことを言うんだよね

誤解を招くのを承知で言えば

池の中に石を投げこんだ時の波紋みたいなもの

石が押しのけたことによって

凹んだ水面が復元するという状態を

水面が伝えているってことだよね

波が伝播するためにはなにかの媒質が必要になるってこと

1900年くらいまでは

宇宙は何も無い空間が広がっている って

考えられていたんじゃないかな

申し訳ないけど現代のぼくにしたって

宇宙空間=真空ってイメージがあるもの

だったら光(電磁波)は何を媒質にして伝わるのか? 

音(音波)だったら

気体・固体・液体なんかの『物』が媒質になっているよね

だから よく言われるように宇宙みたいな真空の中では

音は伝わらない ってことになっている

ぼくたちの常識では『波』は『媒質』が無いと

伝わらないってことになっているんだ

波は状態の変化。

決して本体そのものが動いているわけじゃなくて

動いているのは媒質ってことになっているんだから

真空(何も無い)と思われている宇宙空間にも

光を伝えるための媒質として何かが詰まっている

そう考えないと光=波という仮説が

成り立たなくなっちゃうんだよね

そこで宇宙空間(世界)に詰まっている物質として

考え出されたモノに付けられた名前が

『エーテル』だったってことなんだ

『エーテル』という名前は

デカルトさんの渦動説に出てくる微細な物質群のことを

フックさんが命名したものだけど 

元々の語源はアリストテレスさん

アリストテレスさんが

この世界を構成している物質として挙げた

火・水・土・空気の4元素は有名だけど

これは人間界でのはなし

もうひとつ 

人間の観測・知識の及ばない天上界にある

第5の元素として挙げている元素の名前が

『エーテル』なんだよね

光=波という仮説を推し進めるのには

この『エーテル』という物質はなかなか有用だったんだ

科学の進歩

やっと話を戻せそう

電磁気学(古典電磁気学)は

マクスウェルさんでほぼ完成を迎えた 

と 言っても過言じゃないと思う

力学(古典力学)が

ニュートンさんで完成を迎えたようにね

どちらも ぼくたちの生活の中で考えれば

現代でだって十分に通用する理論だと思うよ

ただ 「ぼくたちの生活」という

限られた範囲内で通用するといっても

はたして 全宇宙や特殊条件の元でも通用するのだろうか? 

そういうところまで考えちゃうのが学者さんたちなんだね

いつも書いているように科学は

「今のところ」正しいとされる仮説の積み重ね

そして その仮説は常に検証が行われていく

その『帰納』『演繹』の繰り返しで進んでいく

「今のところ」正しいとされる仮説に不都合が出たときに

まずはその不都合を現状の仮説に適合させるための理論が検討され 

どうしても適合が不可能となれば現状の仮説の修正

もしくは破棄が検討されていくってことだね

ニュートン力学にしたって1900年に入るまでは

これ以上の発展は無い とまで言われていた説だったんだ

新たな実験・観測の成果や実験装置の進歩

なんてものもあるだろうけど

常に疑い続ける科学者の姿勢には頭が下がるばかりだよ

もちろん 『不都合』が発見されたとき 

その発見自体に対しても再検討が入るんだ

ぼくの知っている最近の有名なところでは

2011年にCERNがタウニュートリノが超光速で移動した

という観測結果を出した時

すぐに全世界の研究者に再検討を依頼したというのがあるよね

一時期ニュースにもなっていて覚えている人もいるんじゃないかな

残念なことに誤観測だったという結論に達したみたいだったけど

観測→検証→観測→検証……

そうやって科学は進んでいくんだね

エーテルの観測

さて はなしは戻るけど 

まずマクスウェルさんによって

電磁波ってものの存在が予測された

その速度もね

そこから 『光』ってものが電磁波の内の

人間の目が捉えることの出来る波長の電磁波

じゃないかってことが仮説として立てられたわけだ

光ってものははるか太古の昔から人類の関心の的だったよね

だから その速度や生態もずっと研究されていた

もちろん その中で

光は波か粒かなんて論争もされていたんだけどさ

マクスウェルさんやローレンツさんの時代では 

光=波という説が最有力だったんだ

それとは別に『エーテル』ってものも

デカルトさんの渦動説以来仮説として認められようとして

実験・研究が進んでいたんだよ

なによりも 光が波だとすると

波を伝える媒質をエーテルとするとわかりやすいもの

ただ 実際にエーテルを検出しようと試みられた

実験や思考実験でも成果は上げられなかったんだ

一時は エーテルというものは

実存はしているけれど人類には検出できないもの

そういう説も出ていたんだ

そんな中でマクスウェルさんがエーテルの中での地球の運動が

光学上の実験で観測できるってことに

気づいたって言われている

当時の光の速さは

鏡に光を反射させて位相差を測る ってことで

算出していたんだそうだ

地球がエーテルの中を動いているとすると

光速に対する地球の速度の分 変化するはずなんだよね

ただし 光速が早すぎるから

その変化はあまりにも微々たるものでしかないので

その測定は難しいんだけど

だけど ヒントが得られれば科学者たちは邁進する

光そのものの速度を測るのには

とてつもなく精度の高い観測装置がいるけど 

光の干渉効果を利用すれば

測定できるんじゃないかって考えたのが

マイケルソンさん

そして実際に測定しちゃったんだよね

もちろん 

マクスウェルさんにしてもマイケルソンさんにしても

『エーテル』があるという前提で

実験をしたってこと

特にマイケルソンさんはエーテル肯定派だったんだ

だけど エーテルを見つけようとした実験の

結果は否定的だったんだよね

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