期待値と実測の誤差

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測定誤差

確率で導き出された粒子の位置と

観測で見つけられた粒子の位置が

同じってことは

まずあり得ないだろうね

クラスの平均身長と

まったく同じ身長の生徒が

いないのと同じ

ある物理量を測定した時に

どうしても確率的にばらついてしまうのが

量子力学の本質ってことなんだけど

その測定値が

期待値の周辺に集中して

見出される傾向があるのか

それとも 広い範囲に散らばって

見出される可能性の方が高いのか

その辺りのことを表すのに

『測定誤差』ってものを

使うことになるらしい

この『測定誤差』という考え方

なんのことはない

受験なんかで使われている標準偏差と

同じようなもんなんだね

知っている人のほうが多いかもしれないけど

標準偏差の出し方を

ひとまず書いておこう

単純にするために

一回のテスト結果だけで

考えてみるね

まず それぞれの人の点数と平均点の

差を出す

その差を二乗して合計するんだ

なぜ二乗するのか? って

その方が扱いやすいだけのことなんだけどね

(統計上に応用しやすいっていうのもあるけど)

本当はそのまま合計しても

意味がありそうだけど

それだと結局±0になっちゃうから

意味が無いんだよ

テストだと

受験人数が多くなっちゃうと

合計数字が

おそろしくでかくなっちゃう

だから 合計した数字を受験人数で割ると

それらしい数字が出るってことなんだ

それを『分散』って呼ぶんだそうだ

これでなんとか

統計にしやすい数字は出来上がるんだけど

なんといっても

元の数字を二乗している

だから出来上がった数字も

訳の分からない

極端な数字になっているんだ

だからそれの平方根をとって

なんとなくなじめそうな数字にしたのが

『標準偏差』って呼ぶんだよ

受験勉強をしている

学生さんには失礼だけど

この標準偏差値って

たしかにある程度の指標は出しているんだけど

どちらかと言えば

統計を取る側の人為的な利便性が

重要視されているだけで

そこまで重要な指標かどうかは

疑問が残るところなんじゃないかな

量子力学の測定誤差

量子力学で使う測定誤差は

このテストの標準偏差と

考えかたとしては

同じようなものだそうだ

ただ標準偏差は

結果としての平均値から作成されるけど

量子力学の測定誤差は

期待値からの差を考えるんだけどね

量子力学ではどうしたって

物理量を測定するときに

バラツキってものが起きちゃうんだ

だから その測定値が

期待値の周辺に固まっているのか

期待値から広範囲にバラついているのかを

数字で表そうとしているってこと

だからΔpという

(運動量の不確かさだよ)

運動量の不確定さの表す表現っていうのは

観測した値が±Δpの範囲に

必ずあるってことじゃないんだよ

確率は非常に低いけど

とんでもない運動量の値が計測される

可能性も十分にあるってことだね

(運動量だけじゃなくって位置もだけど)

何度も出てきて

飽きてしまっている感があるけど

量子の世界では

粒子の位置と運動量は確定できない

そういう宿命を背負っている

ただそのばらつきが

密度の高いバラツキか

密度の薄いバラツキかを

数字で表すのが測定誤差ってことらしい

一回きりの測定で

位置が確定したとしても

その値はどれほどの意味は無い

いくら測定誤差を考慮に入れても

たまたまとんでもない位置に

粒子を発見することもあるんだから

だけど たとえば原子の中の

電子の位置なんかを測定するのには

この測定誤差は意味が出てくるんだよね

なんといっても電子は

原子の中のどこかにいるはずなんだもの

二つの不確定性

モノを測定するということが

もともと矛盾を内包しているってことは

古典力学の時代から

わかっていたことだね

モノを測定するってことは

測定する側が測定されるものに

なんらかの干渉をすることによって

はじめてできる

と いうことは

測定対象にどれほど慎重に接しても

影響を与えるってことは

どうしても起きてしまうんだもの

量子力学の教科書なんかでも

電子の位置を測るのに

電磁波をぶつけて測定するのだから

測定値にどうしても誤差が出てしまう とか

どう計測器の精度を上げようと

正確なその位置を測ることができない とか

それを測定誤差だって

平然と書いてある本もあるけど

それっておかしい気がするな

その考え方だと

根本に

電子の位置と運動量は決まっているけど

測定すると誤差が出てしまう

ってことになっちゃうじゃない

量子力学の波動関数で考えるのならば

観測される測定値は

測定するまで決まっていない

ってことになるんじゃなかったっけ

ある時

急に現れて目に留まる幽霊と

ずっとそこにいるんだけど

目を凝らすまで見えない幽霊の違いみたいな

(たとえ話が下手だね)

目を凝らすまで

見えない幽霊の問題は

(観測するために対象に影響を与えちゃう幽霊だね)

観測装置の精度や方法を開発していくことで

すこしずつ誤差の範囲を少なくするように

進歩してきているね

だけど 観測するまで確定することのない

『不確定性』ってものは

どうしようもなさそうなんだ

どちらも『測定誤差』という考えかたで

近似値は出るのかもしれないけど

この二つの測定誤差が

本質的に同じもの 

ってことはないはずなんだから

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