もと来た道へ戻ろう
なぜ 『場』なんてところに
迷い込んだんだろう?
たぶん 最終的には
『場』を考えることが
『色(存在)』の正体に近づくことになる
そんな気はしてたんだけど
そのためにはまだまだ
準備不足なんだよね
初期の量子力学への引き金を引いた『光電効果』
それを少しでも理解するために
電磁気学に少し触ろうとして
いつのまにか『場』にまで
迷い込んじゃったってことなんだと思うよ
だから いったん
『場』は保留としておこう
光電効果の実例として
太陽光発電なんかを出しちゃったのが
いけなかったんだよね
単純に発電システムだけを考えたらいいのに
その基となる太陽光を考えたのが
間違いだったとしよう
だから 話を戻して
『半導体』に少しだけ触れてみようかな
まず 初歩的なところから始めよう
『半導体』ってなんだ? ってところからだね
『場』で電気を考えるってことは
電磁波を考えるってことに
繋がるんだと思うんだ
だからいったん話を戻して
ぼくたちの身近にある
電気・電流で考えることにしようよ
身近にある電気・電流ってことになると
電線を流れていく電気ってことだね
そして流れていくものとして実感できるものは
電線 金属もしかりだけど結晶体の電気の流れで
導体 絶縁体を考えてみよう ってこと
ぼくたちの世界には
電気を通しやすい物質と
通しにくい物質があるってことは
わかっているじゃない
電線なんかは通しやすくて
電線を保護しているビニールなんかは
通しにくいってね
この 通しやすい物質のことを『導体』
通しにくい物質のことを『絶縁体』
ここまでは 理解できているつもりなんだ
では 『半導体』ってなんだろう?
原子の構造
すごく大まかに
原子ってものを考えてみよう
原子の構造として
ぼくが理解している(つもり)のは
原子核(陽子+中性子)の周りに
電子がまとわりついているって構造だね
今の学者さんたちから怒られるかもしれないけど
量子論以前の感覚で
原子核の周りを電子がグルグル回っている
そんな感覚の方が分かりやすいかも
そして 電子の軌道は決まっちゃっている
ってことになっている
ある意味 太陽の周りをまわる
地球を含めての惑星軌道みたいな感じかな
そして ひとつの軌道に入れる電子の数も
決まっちゃっている
電子の軌道は内側から
K殻 L殻 M殻 N殻… って呼ばれるけど
この辺りは飛ばしてしまおう
原子核という舞台の周りに
椅子が用意されているみたいなもんだね
電子という観客は
前の方から詰まっていく
前の列の椅子が埋まれば
次の電子はその後ろの椅子へと
順番に座っていくらしいんだ
座っている列に大きな力が働くと
嫌々ながら後ろの席に移動していくんだけど
力が収まると また元の席に戻っていくってことで
原子は安定している ってことになっている
このあたりは 実験・観測の結果で
実際に認められている現象らしいんだ
ぼくが今書こうとしているのは
電磁波のはなしじゃなくて電気の流れのはなしだから
ひとまず 電気を流す物質 流さない物質って意味で
結晶体のことで話を進めよう
一応書いておくと 原子の電子軌道と
そこに入ることのできる電子の数は内側から
(今のところわかっているところで)
K殻に2個
L殻に8個
M殻に18個
N殻に32個
O殻に50個
P殻に72個ってことになっているそうだ
結晶体の中の原子
たとえば電線なんかに使われる銅で言うと
K殻に2個
L殻に8個
M殻に18個
N殻に1個ってことらしい
前に書いた 金属が電気を良く通すのは
自由電子が原子からさまよい出て
銅の結晶体全体は
銅の陽イオンと自由電子の結合体として存在しているから
という理屈みたいなんだ
単純に考えるとN殻の一個だけが
飛び出しそうなんだけど
多くの場合は2個の電子が飛び出しているらしい
なぜそうなるのかは
M殻とN殻にある電子軌道の関係
という説明されているんだけど
そこまで突っ込む気にはなれないし
長くなりそうだから
調べてもらえばいいんじゃないかな
理屈としてはわかりやすそうな気がするから
今回はパスしておくね
それぞれの殻に置かれている席にきっちり電子が座っている場合
その殻は安定していることになるらしい
まあ 理屈はわかるよね
電子の配列が安定していない状態では
原子の独自性を主張できなくなっちゃうもの
電子は内側から座っていく
だから 原子の内側のエネルギー帯は
当然安定しているってことになる
本来 原子は安定しているものだけど
その中でも中心に近いほど
より安定している という感じかな
この安定しているエネルギー帯を
価電子帯と呼ぶそうだよ
そして 銅の結晶体みたいに電子がふらふらしちゃうような
ある意味 不安定な外側を持つエネルギー帯を
伝導体って呼ぶらしい
ちょっと難しく(ぼくにとっては)書いちゃうと
原子間の化学結合へ寄与する
価電子によって満たされたエネルギー帯を
価電子帯
電気伝導に寄与する
自由電子を持つエネルギー帯を
伝導帯 って呼ぶってことになるんだね
原子間の化学結合へ寄与する価電子 って
わけがわからない書き方だけど
すごく大雑把に書いちゃうと
価電子っていうのは原子の最外殻にいる電子のこと
その一番外にいる電子は
原子同士をくっつけたりして
物質の性質を特徴づけるために
主要な要素なんだよ
だから よほど強い力が働かない限り
出て行ったりしない優秀な息子ってところかも
伝導体にいる電子は
言わずもがなの放蕩息子ってことだね