ブラックホールに入り込んだら? Ⅱ

雑学を収集しようじゃないか雑学
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情報

考えてみようよ。

ブラックホールが

なんでも吸い込んじゃう天体だとすると

その吸い込んだものは

どうなっちゃうんだろうか?

中に入っちゃった物体(モノ)は

ブラックホールの重力のために

本来の姿を維持できないくらいに

縮小しちゃうはずだよね。

そうなれば物質の形状や種類、性質なんていう

もともと物質の持っていた

『情報』も失われてしまうんじゃないかって

考え方が当然出てくる。

なんといっても元の姿なんて

維持されるわけないんだから。

それでも情報っていうのは

モノじゃないんだから

たとえブラックホールの中に吸い込まれても

『情報』は保存されるはずだって

考えかたもあるそうなんだ。

『情報』っていうのは

なんだ? って疑問が

当然出てくるけど

文字や数字などの記号や

シンボルの媒体によって伝達され

受け手がそれを認識できるものという

考えかたのことで

間違ってはいないとは思うんだ。

ただ物理学の場合

伝達されるものは

たぶん演算子。

イメージとしては

人間や生物の『遺伝子』みたいなもので

同じ細胞から作っても

出来上がりが違うものなっちゃうという

設計図みたいなもんかな。

受け手の側っていうのは

とうぜん物質(モノ)だよね。

すごく大雑把な解釈だと

たとえば同じ炭素で出来上がるモノでも

石炭なのかダイヤモンドなのか

を決めるのが

『情報』ってことじゃないかな。

『情報』=『本質』でも

いいかもしれない。

あのホーキングさんも含めて

多くの科学者がこの『情報』の

有・滅を議論していたそうなんだ。

ホ―キングさんは初め情報は失われると

していたけど

他から情報は保存されるという

研究結果が出され

ホーキングさん本人の検証から

情報は保存されるという姿勢に

変更したそうだよ。

今でもこの論争は続いている。

もっとも大勢は

情報保存に傾いているらしいけど。

ホワイトホール・ワームホール

情報が保存するか否かは

もう少し待ってみるとして

もっと本質的な問題が残っちゃうよね。

ブラックホールに吸い込まれた

物質はどこへ行っちゃうんだろうって。

ブラックホール内に

どんどん溜まって行っちゃうんだろうか?

だとするとブラックホール自体が

限りなく成長しちゃうってことだろうか?

これを突き詰めていくと

物理学者たちの大嫌いな

『特異点』ってものが

出てきちゃうんだ。

数学では『0』とか『∞』なんてものが

平気で出てくるけど

物理学では限りなく『0』に近づくとか

『∞』に近づくっていうのは

許されるけど

「人間が認識できる……」っていう

物理学の概念の中に

『0』」や『∞』を入れることは

物理学者は嫌うからね。

じつはアインシュタインさんの

一般相対性理論を計算していくと

この特異点っていうのが

出てきちゃうんで

もめちゃったわけなんだ。

この特異点

本当に観測されたわけじゃなくて

可能性としてのことなんだけど

なんとかこの特異点を解消すべく

導入されたのが

ブラックホールに吸い込まれたものを

放出する天体としての

『ホワイトホール』ってものが

考えられるようになったってこと。

単純な発想だけど

入って来たものが

そのままどこかへ出ていってくれるのなら

ブラックホールなんて

ただちょっと深いだけの

穴みたいなものってことに

なるんじゃない。

もっとも人間や生物みたいに

なにかを食べて排泄するんだとしたら

入ったものと出て来たものの

変質具合が問題になるけどさ。

この『ホワイトホール』

じつは真剣に議論されているらしんだ。

ブラックホールの裏側にあって

(裏側ってどこだろう?)

トンネルみたいな領域で

繋がっているんじゃないか とか

じつはホワイトホールの外側に

ブラックホールがあるんじゃないか とか

ホワイトホールが吐き出したものは

すぐにまたブラックホールに

飲み込まれてしまうんだから

ホワイトホールと

ブラックホールは同じもの とか

いろいろ取りざたされているみたいだね。

アインシュタインさんの

方程式を解いていくと

別の変なものの存在も

可能性として出てくるんだ。

ブラックホールに飲み込まれたものが

ホワイトホールへ向かって

移動する際の通り道として

『ワームホール』という

トンネルのような役目を果たす

領域があるんじゃないかってね。

どちらにしたって『解』のひとつ

まだ解明されたわけじゃないんだけど。

ホワイトホール・ワームホールの探索

しつこく書くけど

とにかく科学者っていうのは諦めが悪い。

これは物理学者にも天文学者にも

言えること。

なにか仮説が出されると

実験・観測をなんとかしようと

はりきっちゃう。

以前研究室にいる人に聞いたけど

実験・観測の結果

仮説が完全否定されるのも

全然OKらしい。

その理論が間違っていることがわかることが

貴重な成果なんだそうだ。

(ぼくが無駄なんじゃない? って言ったら

冷たい目で見られたんだけどね)

とにかくホワイトホールもワームホールも

あくまでも数式上で

存在しうるってもの。

それでも天文学者たちは

もしこれらがあったら

どんなふうに見えるのか

というよりどうやれば観測できるのかって

考え続けている。

ホワイトホールでいえば

2006年にガンマ線バースト観測衛星のスィフトが

(宇宙船の名前だよ。

現在は改名されて『ニール・ゲーレルス・スウィフト』

って名前だけど)

捉えた『GBR060614』の

ガンマ線バーストが

ホワイトホールの痕跡じゃないかという

仮説がでているみたいだね。

このガンマ線バーストが

なにを意味するのかあたりは

興味があったら

調べてもらえばいいけど

スウィフトっていうのはNASA

エクスプローラー計画っていうので打ち上げた

宇宙望遠鏡(宇宙に打ち上げた天体望遠鏡)で

じっさいに観測結果は出てるんだ。

もっともその観測結果が

ホワイトホールと結びつくのかどうかは

あまり多くの

賛同は得ていないみたいだけど。

ワームホールについても

重力マイクロレンズ効果

言ってみれば重力持つ天体が

観測対象との間を通過するときに

起こる増光現象によって

検出できるんじゃないかっていう

研究チームができている。

いまのところ

ワームホールらしい天体は

見つかっていないらしいけど

だからといって

ワームホールが無いってことじゃないもんね。

ただ単に今のところワームホールは

観測できていないって

ことでしかないってこと。

もしかすると近い将来

ワームホールやホワイトホールなんてものが

発見されるかもしれない。

人間てものはすぐに新しい知識を

じっさいに使いたがる。

もしかすると超高速宇宙航行や

タイムマシンができるかもしれないよ。

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