電子の波動性(ボーアの原子模型)

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ボーアの原子模型

正しくは『ラザフォード・ボーアの原子模型』

っていうらしいけど

ラザフォードさんの想定した原子模型を

もうすこし進めたのがボーアさん。

このあたりから徐々に量子論っていうのに

入っていくような気がするね。

わくわくするほどおもしろいけど

あたまがぐちゃぐちゃになるほど

訳が分からない世界。

数式なんかが山ほど出てくるけど

それを数式・公式を使わずに考えていこうって言うんだから

無謀この上ない挑戦。

このボーアさん

ラザフォードさんの下で原子模型の研究をしていたんだ。

やがてラザフォードさんの発表した

原子模型の欠点を解消する模型を

発表することになる。

ラザフォードさんと一緒だったのはマンチェスター大学だったけど

新しいボーアさんの原子模型を発表したのはコペンハーゲン大学。

大学なんてどこだっていいようなものだけど

このコペンハーゲン大学というのは

特別な意味を持つ。

『コペンハーゲン学派』や『コペンハーゲン解釈』

これらはボーアさんたちの説なんだけど

量子力学のスタートとして有名なんだよ。

ボーアさんがラザフォードさんの原子模型の欠点としてあげたものに

電子の速度の変化による原子の大きさの変化

電子のエネルギーの消耗による原子の崩壊

なんてものがあったんだけど

なによりもスペクトルの問題があったんだ。

スペクトルって難しい言葉を使わなくても

簡単に言っちゃえば『虹』みたいなものを考えればわかりやすい。

虹は空気中の水蒸気に太陽光(普通の光でもいいけど)が当たった時に

波長と屈折率の関係(単純に色によって曲がり方が変わるってこと)で

色の帯が出来ちゃうってこと。

この原理を使って多くの実験がされているんだよ。

いろいろな素材で作った電極に高電圧をかけると放電しちゃう

それをいろいろなガスの入った瓶の中で放電させると

ガスや素材の種類ごとに

別々の虹(スペクトル)ができちゃうんだ。

これは実験で分かっていたんだけど

その波長がじつは簡単な公式で表せられるっていう

バルマーやリュードベリーの実験公式ってのが

正しいとされてはいたんだけれどどうしてそうなるのかを

物理学の古典論者たちにはうまく説明できなかったんだ。

だから、これまでの物理学では説明できなかったことを

なんとか説明しようとして考えられたのが

ボーアさんの原子模型ってことじゃないかな。

量子力学の幕開け

ボーアさんの模型

思い切り発想がぶっ飛んでるんだよね。

というか、ぼくのような古典力学の世界しか知らないような人間には

ついていくのはほとんど不可能なんじゃないかって思えるくらい。

だから量子力学っていうのは

ぼくたち(『たち』ってのは失礼だね。『ぼく』でいいよ)にとっては

物理学(ぼくの知っている)の範疇じゃなくて

哲学の範疇と考えたほうがいいのかもしれない。

ボーアさんも後半には量子力学の概念と

東洋哲学の概念が似ているとして

『易経』なんかを研究していたみたいなんだ。

さてこの模型、わかりやすいように

また水素で考えてみよう。

水素って原子核が一つに電子が一つ

しかも原子核は陽子という

いちばんシンプルな形をしているから

サンプルとしては最適。

なにもなかった時の水素原子は

陽子の周りを電子がくるくる回っている。

この電子の質量は一定

スピードも一定の時には

安定した水素原子が出来上がっているわけだ。

この部分は古典力学にしたがってるってことだね。

さてここに外部からなんらかのエネルギーが

注入されたとしよう。

そのエネルギーで加速された電子は

公転半径が広がっていくよね。

古典力学ならこの半径はどの値も取れるはずなんだ。

でもそうするとさっき書いていた

スペクトルの波長を表す公式が単純なものにはならない

って、わかるかな?

さて困った。

そこで出て来たのが逆転の発想。

「原子は飛び飛びの値のエネルギーをもった状態でのみ存在することができる」

って無茶苦茶なはなしをむりやりこじつけたわけ。

原子核の周りをまわっている電子は

原子核からの距離が決まったいくつかの軌道にしか

存在できないってことにしちゃったわけだ。

古典力学なら電子のスピードが徐々に上がれば

その軌道も徐々に広がっていくはずなんだけど

あるスピードまでは我慢している電子がその加えられるエネルギーが

がまんの限界を超えた瞬間

電子は軌道から別の軌道に瞬間的にジャンプするんだって説明したんだよね。

この考えられないような瞬間ジャンプを電子が起こすときに

光が出たり吸収されたりするってことらしい。

こじつけもいいところだけど

こう仮定すると実験結果とぴったり一致するんだから

否定もできない。



水素の場合だった。

水素の原子核は陽子が一個

その周りを電子が一個まわっている。

通常その半径は一番落ち着いた状態で決定されている

それが水素の大きさってことだ。

そこにエネルギーが加えられると

電子はもう一つ外側の

それでも古典力学に従う軌道に瞬間移動しちゃう。

その時に光が放出されてそれが水素特有の

プリズムを描くってこと。

わからないよね。

わからなくってもいいと思うよ

ただ、実験・観察の結果が

この理論だと説明できるんだからきっと正しいんじゃないかって

ことになっているだけなんだから。

一番落ち着いた状態のときを原子の『基底状態』

電子が存在できる軌道を原子の『定常状態』

状態(軌道の半径だね)が変わることを『励起』

って言うらしいけど

このあたり、さして重要じゃないから

適当に聞き流しておいても問題はないかな。

またアナログが否定された?

古典力学というのは

ぼくたちが現実に暮らしている世界の

謎を突き詰めていって発展してきたもの。

絶対の前提条件に世界は連続してつながっているってのがあるんだ。

ところが科学や技術の発展とともに

その絶対の条件に『?』が点灯しだしたんだよな。

じっさいに目に見えたり触れたりできるものじゃないけど

実験の結果として確定しちゃうもの。

そのデータがこれまでの考えかたじゃ

説明できない

だけど現実に目の前におこっていることは

これまでの古典力学に従っている。

さてどうしたものか

科学者たちはあたまを絞ったんだろうね。

原子・分子なんてものの考え方は

それこそ古代ギリシャ時代からあるけど

それを理論的に説明していく過程で

物には最小単位がある

すなわちデジタル構成されている

ってことを理論づけしなくちゃならなくなって

その結果を前提に研究していくと

エネルギー(光も含んじゃう電磁波なんかも)も

連続体じゃなくてデジタル構成されているって

はなしになってきている。

現在じゃ最小単位が

原子じゃなくてそれをまだ細かくしていった

『素粒子』の理論が出てきているみたい。

『素粒子』の標準模型だと

(これまでにも『模型』ってことばが出てくるけど

必ずしも形のあるものじゃなくて『理論』ぐらいで

考えたほうがいいと思うな)

素粒子には大きさが無い(点粒子って言うんだけど)ものとして扱うことで

実験結果と合致していることになるんだけど

これって空間が無限に分割可能な

連続体だってことが前提になっているんだ。

でも現在の標準模型で扱うスケールより

もっともっと小さなスケールだと

空間が連続的(アナログ)か離散的(デジタル)かの

結論はまだ出ていないんだよ。

この素粒子のことは

いずれ触ってみることにして

もうすこし原子あたりをうろついてみようか。

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