行動遺伝学 Ⅱ

雑学を収集しようじゃないか雑学
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初期の行動遺伝学

行動遺伝学は

心理学と遺伝学が合体して

スタートしたってことになっている

だけど実際のところは

心理学が遺伝を取り込んで

『行動』ってものを考え直そうじゃないか

という心理学主体の学問だったんだよね

当初の目標として掲げられたプログラムは 

行動の形が

世代から世代へ伝えられることを実証する

その行動の特性の

遺伝要因の数と性質を特定する

染色体上に行動の遺伝子を特定する

その遺伝子が特性を発現させる

メカニズムの解明

この4つの目標が

基本方針として

立てられたみたいなんだ

気が付いたかもしれないけど

行動遺伝学は心理学が主体で

発生した学問

この基本方針は

同一種 系統の中での個体差 

言い換えれば

第一レベルの遺伝についてのみ

扱っているんだよね

第二レベルの遺伝も考慮しよう

という研究もあったらしいけど

少なくとも行動遺伝学が科学を名乗るためには

実験・観測によるデータが必要

現在に至っても

最適データは出てきていないって

状態なんだ

第二レベルの遺伝は

データの数値化が難しすぎるんだよ

だから いったん考慮から外して

研究が進んだ

ってところかもしれないね

プログラムの検証

科学である以上

データの数値化が必要

だってことはわかるよね

だけど 心理学という

心の研究をする学問において

数値化っていうのは

果たしてできるんだろうか? 

たしかに 心そのものの観測ができない(現在では)

だから 心と連動する行動(反応も含めて)を

観測することによって

ある程度の数値化はできるかもしれない

それでも あくまでそのデータは

第一レベル遺伝子に限られちゃう

だけど 人間というのは

生き物のなかの一つの種という観点で見れば

どうしても第二遺伝子を

考慮に入れる必要があるんじゃないか

っていう疑問が出て来たんだ

当初の目標として挙げられたプログラムは

あくまでも第一レベル遺伝についてしか

考慮していなかったんだけど

ある行動(反応)がおこる原因について

『なぜ』 そのような行動(反応)が

おこるのかという原因が解明されない限り

行動遺伝学っていうのは進まない

って考える人が出て来たってことだね

ここで問題になったのが

『なぜ』という疑問

日本語で書いちゃうと

『なぜ』になっちゃうけど

英語だと

how』と『why』の

二つの『なぜ』が

あるんだよ

『how』と『why』

ぼくは英語が大の苦手なんだ

(数学もだけどね)

だから間違っているかもしれないけど

イメージだけで書いてみるね

howwhyも和訳すると

『なぜ』とか

『どうして』ってことに

なるような気がするんだ

だけど howの『なぜ』は

『どのように』とか『どのような方法で』の

イメージ

Whyの『なぜ』は

『どういう訳で』みたいな

感じがするんだよ

この二種類の『なぜ』に疑問を投げかけたのが

ティンバーゲンさん

何度も書くけど

当時の心理学は

アメリカの行動主義が主流

要は動物の行動っていうのは

環境刺激に対する単なる反応だって

考えかたなんだ

それに対して

環境もあるかもしれないけど

もっと複雑な内面の情動に動かされるって

主張したのが行動遺伝学だね

それを知るためには

行動を引き起こす要因として

生理的現象的側面

(環境の刺激だね)

だけじゃなく

進化というものの

研究が重要だってこと

行動主義の解明は

なぜそのように動くのかという

howクエスチョン

内面の情動は

whyクエスチョン

当初 行動遺伝学の行動(反応)の

研究目標はhow

それじゃ本質はわからないはず

本当に行動を解明したければ

howwhyの二つのクエスチョンを

研究しなくっちゃってことだね

この考えを

ティンバーゲンさんはまとめて

生物学の4領域を

(ティンバーゲンの

4つの『なぜ』と呼ばれるみたい)

研究の目標プログラムとしたんだ

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