原子と量子
どうも頭の中が
まとまりがつかなくなってきちゃった
初めの頃には
原子の中には原子核があって
その周りを電子が衛星のように
くるくる回っているって考えかたに
スケールが違い過ぎて
戸惑うものの
なんとか納得できてたような気がしたんだけどな
ところが電子は
粒子(粒々)じゃなくて
粒子の性質と波の性質を
併せ持ったものだってなってしまった
納得はできないけど
そうなんだって専門家の人に強く言われたら
「ごめんなさい」って
言うしかないよね
でも 波というからには
いったい何を媒介にして波打っているんだろう?
って疑問が消えないでいたんだよな
そうすると今度は電子っていうものは
なにかを媒体に伝わる波じゃなくて
それ自体が波なんだってことになっちゃった
媒体のない波って
想像もつかないんだよ
媒体のない波は『状態』である
なんて書き方も出てくるときもあるんだけど
確か波は状態だから
一個二個と数えられるという粒子性と
相容れないって書かれていたような気もするし
たしかに波動性と粒子性を
併せ持つなんて説明を受けるより
電子は『状態』なんだって言われるほうが
騙されるにしてもまだまし
そんな気もするけどね
でも 『状態』っていうのは
何なんだろう?
状態
状態っていうものにも
定義があるんだね
「人や物事のある時点でのありさま」
っていうことらしい
これってあまりにも
当たり前すぎることだけど
言い方を変えると
時々刻々変化していくもののことを
『状態』という とすれば
粒子性と波動性の併せ持ちや
不確定性原理における
電子の位置と運動量は確定することができない
っていうのも
なんとなくわかるような気がする
量子論において
ただ定まっているのは
測定によって得られた物理量じゃなくて
その物理量がどんな具合に
バラついているのか っていう
確率分布だっていうのも
納得できなくもない
だけど 一般にぼくたちの言う状態っていうのは
モノのその時点での形や
有様のことを言っているような
気がしないかな
どうやら量子力学においての
状態っていうのは
モノの姿のない
どちらかと言えば波動って
捕まえることのできない
モノのことを言っているような気がするんだ
波というエネルギーだけの塊が
じつは電子ってことなのかもしれない
ただ アインシュタインさんも言っているけど
エネルギーは質量のひとつの形態
(逆かもしれないね
質量はエネルギーの一つの形態なのかな)
だとすれば エネルギーのあるところに
粒子性があってもおかしくないのかもしれない
波っていうのは
振幅の二乗のエネルギーを
持っているんだね
正弦波が
(ぼくたちがイメージしている規則正しく波打っている波だね)
できるのには
変異に比例した復元力が
働かなくっちゃならないよね
雑な言い方をすれば
下へ引っ張られた弦は
上に戻ろうって力が働くってこと
エネルギーはこの復元力の
振幅分だけ積分すれば
表現できるってことなんだ
だから振幅の二乗ぶんだけエネルギーがある
言い換えればその分の質量があるモノが
存在していると言っても
おかしくはないんだよね
だけど そうなると
モノ(物質)が波みたいにあらゆる場所に広がって
存在しているってことになるのかな?
波動関数
またとんでもない方向に
道草が始まっちゃった
なんとか強引に
はなしを元に戻してみよう
なぜこんな『状態』なんてもので
引っかかってしまったのか
なんのことはない
量子というものの正体っていうのは
なんだろう? ってところから
わき道にそれてしまったんだね
こんな寄り道ばかりしているから
いつまでたっても
目的地に着かないっていうのは
困ったもんだ
(って もともと目的地が無いんだけど)
で なぜ量子の正体に
疑問が出てきてしまったのかっていうのは
量子は粒子性と波動性の
併せ持ちだってはなしからだね
ここのところがどうにも理解できないから
調べまくっていたら
量子とは『状態』だ って
はなしが出て来たんだ
ある意味すこし納得できそうな
はなしだったんだけど
そうなると量子って波なの?
って疑問が出てくる
波動関数って覚えているよね
波動関数は量子の状態を
『状態』として表している関数で
量子の粒子としての存在の位置を
確率で表しているもの
(ややこしいね)
ってことらしいんだよな
波動関数っていうのは
もともと『電磁波』ってものの
概念から類推して
編み出されたって言われている
電磁波がモノかどうかはひとまず忘れて
(光にも粒子性があるってところだね)
エネルギーがあることはわかっているよね
電磁波の振幅は電場や磁場の強さを表すけど
波として考えたときには
振幅を二乗した量がエネルギーを表すわけだ
だからエネルギーがある限り
そこには質量がある
ってことになるんだから
モノだといってもいいのかもしれない
だとすると モノってものは
もともと波なのかな?
物質が波として
全体にまんべんなく広がっていて
他の物質と反応すると
その広がった波が一瞬にして消えちゃって
一か所に集まる
(観測するっていうのは他のものと
反応するってことと同じだもんね)
どうやらこのあたりが
波動関数の考え方みたいだね
正確に言えば
波動関数が消えて一か所に集まる
(粒子として存在する)んじゃなくて
波動関数がデルタ関数に
変化するってことなんだけど
デルタ関数
またちょっとだけ余談
デルタ関数って
たまに出てくるんだよ
ディラックさんって覚えている?
相対論の時に書いたと思うんだけど
『ディラックの海』の提唱者
このひとが最初に
量子力学の定式化のために
この『ディラック定数』ってものを
定義したらしいんだ
読んでみたけど
はっきりいって理解不能
ただ どうやら
名前は関数ってついているけど
ぼくたちがおもっているような
関数じゃないらしいよ
さっき「波動関数がデルタ関数に変化する」
って書いたけど
広がっている波動関数としての波が
他の物質と反応したとたん
一点に 瞬時に収斂するなんて
常識じゃ考えられないことを仮定するよりも
ある一点においては密度が無限大
でも その密度を積分して全体量を求めると
有限量になるっていう
性質を持つ関数を作りたかっただけ
という話もあるんだよね
だからあくまでも理論上の関数
いってみれば
空間にポツンと浮かぶ粒子を
関数として表すための
創作物だったってことじゃないかな