クルスカル座標系
アインシュタインさんの
一般相対性理論を
計算で解いてみよう。
言っとくけど
解くのはぼくじゃないけどね。
前にも書いたけど
これがなかなか難しい。
二つの方程式
測地線の方程式・重力場の方程式っていうのを
解く必要があるらしいんだ。
数学的には『連立偏微分非線形方程式』って
方程式を解くってことらしい。
(それがどんなものかはまるで見当がつかないけど)
この連立なんたらかんたらが
くわせもの。
なんといっても初期条件の与え方ひとつで
結果が相当変わってしまうらしいんだね。
だからこれから書くことは
その計算上での『解』であって
けっして物理学得意の
実験観測から導き出されたものじゃない
ってことを断っておこう。
もちろん数学上正しいとされていることだから
理論的にはちゃんとした
裏付けはあるけど
なんといっても数学は言語。
造語を定義しちゃえば
事実とみなされるんだから
頭から信じきれないっていうのは
ぼくがあまのじゃくって
ことだろうな。
さて、事象の地平面
光さえそこから出てこれないという
宇宙とブラックホールの境界線。
そこに突っ込んでいくものは
そのままブラックホールに
吸い込まれていくことになるし
外からそれを見ているものには
いつまでたっても
ブラックホールに入り込もうとしているものが
事象の地平線のところで
止まっているという
時空間が歪みまくったような
特殊な境界線。
何度も言っているけど
アインシュタインさんは
物理学を幾何学で考えた人。
だからかもしれないけど
今書こうとしている
事象の地平面も
幾何学で示そうよ
なんて考えた人がいるんだ。
クルスカルさんっていう人と
同時期にセケレスさんっていう人が
ブラックホールの事象の地平線を
シュワルツシルト幾何学という
座標系として1960年に発表しちゃった。
クルスカル図とかクルスカル–セケレス図って
言われるらしいけど
時空に対して事象の地平面で
メトリックのあらゆる成分が
無限大にならないような
座標系っていうことなんだ。
これでわかったらすごいよね。
ぼくには何のことだかさっぱりわからないんだよな。
クリスカル座標系
あまりにわからないから
一つずつ考えていってみよう。
メトリックっていうのは
『計量』とか訳されている
時空間の構造を決める計量と
その中にあるエネルギー成分の状態を
定量的に関係づける方程式
なんだそうだ。
これで説明しているなんて
とてもじゃないけど無理過ぎると思うけど。
クリスカル標系っていうのは
素人考えだと
事象の地平面の
その境界ぎりぎりの
外側(ぼくたちの宇宙より)
ってことじゃないかな。
(まるで自信は無いけど)
どうやらブラックホールの
事象の境界面っていうのが
ぼくらの世界から見て
どういう位置づけにあるのかを
幾何学的に表そうとしているものが
クリスカル図で
その事象の境界面ぎりぎりのところを
クリスカル座標系って
言っているような気がするな。
(はっきり言ってぼくの解釈ミスの方に
全財産賭けてもいいとは思うけど)
もしクリスカル座標系に
とどまろうとするのなら
ブラックホールの近傍に位置して
ブラックホールから一定の距離を保つために
絶えずブラックホールから
遠ざかるような加速を
しているしかないってことだね。
その事象の境界面ぎりぎりで
踏みとどまって
観測のできる者を
仮定しみよう。
このクリスタル座標系に
留まっている観測者には
ちゃんと名前までついているんだ。
『クリスカル座標系にいる者』って
ちょっと安易なネーミングみたいな気がするな。
SFではなじみのある世界
『クリスカル座標系にいる者』
別に人である必要は無いんだ。
観測できるものならなんでもいいってこと。
その観測者(装置)が
事象の地平面のすぐ外で
観測していると
ある特別な時刻において
ブラックホールの内部の空間と
外部の空間が
連結されることがあるらしい。
(あくまでここで書いているのは
数学で導き出された結論だよ。
けして観測されたものじゃないから
あしからず)
観測されたものじゃない
この理論的可能性の連結された領域にも
ちゃんと名前がついているんだ。
『アインシュタインーローゼンの橋』とか
『シュワルツシルトの喉』なんてね。
この考えかたって
どこかで聞いたことが無いかな。
SFになじみのない人には
初耳かもしれないけど
『ワープ』って今では一般的になっているよね。
もともとこの『ワープ』というのは
歪曲させるっていう意味だけど
今では超光速推進航法の意味に使われている。
もともとSFでは
使われていた言葉だけど
1966年開始のテレビドラマ『スタートレック』で
一躍有名になったし
日本だと『宇宙戦艦ヤマト』が
認知度を上げるのに
一役も二役も貢献したんじゃないかな。
『ワープ』っていうのは
短時間で遠い星へ行くことができたらという
便利な設定をもたらすために
考えられたイメージ構造なんだけど
それに科学的ななんらかの根拠をもたらそうとして
『ワームホール』が使われているんだ。
初期のSF小説の設定では
(可能性として限りなく0に近いと思うけど)
ブラックホールに飛び込んだものが
ワームホールを通って
別の場所に出られるって理屈づけだね。
(それ以外にもワープについては
いろいろな理屈を付けた
小説があるんだけど)
もうひとつこの
クリスカル座標系には
『ホワイトホール』という
ブラックホールを時間的にも空間的にも
逆転させたような存在の
可能性も言及されている。
理屈は簡単
ブラックホールのワームホールを
通っていった宇宙船が
もう一つのワームホールを通って
ホワイトホールから出てくる
みたいな感じかな。
理論的にはホワイトホールも
シュワルツシルト半径はあるんだろうけど
事象の地平面とは
少し違うんじゃないかと思うよ。
なんといっても
ブラックホールは
どんなものも出ていけないのに対して
ホワイトホールは
どんなものも入れないってことなんだから。