ブラックホール

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星の一生

ブラックホールってなんだろう?

漠然としたイメージは

あるんじゃないかな?

とにかく多くの質量が

小さいところに固まっちゃって

とてつもない重力を持っちゃった

天体って感じだよね。

別に宇宙に穴が開いているんじゃないよ

一応れっきとした

恒星の成れの果てって感じかな。

もっともすべての恒星が

ブラックホールのなれるわけじゃないけど。

ぼくたちの太陽の8倍の質量を持つ恒星が

白色矮星となりえて

8~30倍程度の質量を持っていた星は

中性子星にまでなれるってことらしい。

そしてそれより重かった星が

やっとブラックホールになる権利を

得ることができるんだそうだ。

極端に重い(デカイ?)星の末路が

ブラックホールってことだね。

白色矮星や中性子星なんて

聞きなれない単語が出てくるから

今のところ言われている

星の一生ってものを

書いてみよう。

(あくまでも今のところの定説だけど)

恒星の誕生~成熟

宇宙空間の塵が

吹き溜まりみたいに

なぜか集まってしまって

塊になって行く。

そうしたその塊の中心部で

水素が融合して

ヘリウムを作るという

核融合反応が始まっていくと

ぼくたちのなじみの

太陽さんみたいな

恒星の誕生ってことになる。

これが幼年期か少年期か

青年期か成熟期化はしらないけど

現役の恒星さんってところらしい。

赤色巨星 

星の内部で燃え盛っていた

核融合が

中心部から周辺部にまで進んでいって

星がどんどん膨張していく状態だね。

白色矮星

水素が融合して

ヘリウムを作ることによって

恒星が誕生・生成するってことは

星の内部にはヘリウムが溜まっていくよね。

今度はそのヘリウムの融合がおこって

炭素や酸素が生まれてくる。

そうなるとせっかく固まりかけていた

星の外層がぶっ壊れて

中心核が宇宙に

むき出しになった状態になった星を

白色矮星って呼ぶらしいんだ。

超新星爆発

むき出しになった中心核の中で

さらに核融合が進んで

ついにその組成が

鉄にまで及んじゃう。

そこまで来ると中心核というか

星そのものが

大爆発をしちゃうってこと。

中性子星

爆発した星が

自分の重力でどんどん

集まっていって

自らの重みのために

より縮んでいく。

ついには原子の中で

電子が原子核に潜り込んでしまって

原子核だけの塊になっちゃうらしいんだ。

ブラックホール

原子核の収縮に歯止めが利かなくなっちゃって

それこそ光も飛び出せないほどの

高密度になる。

って感じなんだそうだ。

もっともすべての星が

こんな手順を踏むんじゃないらしいけどね。

われらの太陽さんは

頑張っても

赤色巨星止まりってところかな。

(うまくいけば白色矮星まで行くって説もあるけど)

ブラックホールって?

ブラックホールという名前は

きっとどこかで聞いたことのある

名前だと思うんだけど

この名前が付いたのは

最近のことなんだよね。

(最近といっても50年ほど前だけど)

ホイラーさんって人が

便宜的にそう呼びだしたのが

最初だったっていうことみたい。

宇宙には非常に大量の物質が

極限まで狭い領域に押し込められた

天体があるんじゃないだろうか。

そのため重力が大きすぎて

光さえ抜け出せない

真っ黒な穴がある可能性がある

ってところからのネーミングだったみたいなんだ。

この考え方の起源じゃないかと思われる発想は

18世紀には生まれていた。

ぼくも書いたけど

有名なラプラスさん。

それに天文学者だった

ミッチェルさんがそれぞれ同じころに

一つの仮説を出している。

万有引力の法則っていう

ニュートン力学の法則から

もしも光が万有引力の影響を受けるとしたら

思い切り大きな重力を持つ天体からは

光が抜け出せないんじゃないか?

そしてそんな天体が

実際にあるんじゃないか? って。

もっともこの説は

当時まるっきり相手にされなかったみたいだけど。

で、もういちどこの仮説が

脚光を浴びるようになったのは

アインシュタインさんの

一般相対性理論からなんだ。

この一般相対性理論の中の

『重力場の方程式』を研究していると

ある空間に極めて高い質量の天体が存在する場合

その空間自体が重力で歪んで

特殊な球形の領域ができるって

シュヴァルツシルトさんって人が

発表したんだね。

この特殊な球形を

『シュヴァルツシルト半径』って呼んだんだ。

そしてそこから派生する

『シュヴァルツシルト解』という計算結果から

シュヴァルツシルト半径に近い領域では

重力で光が吸い寄せられ

さらにその領域の内側では

光が抜け出せなくなるってことを

見つけ出しちゃったんだよね。

この時はまだブラックホールという

名称は使われなかったみたいだけど

ブラックホールの存在を示唆する

最初の理論的研究って

言われているそうなんだ。

ブラックホールの存在証明

物理学者は仮説を立てて

それを検証していき

実証が出てきて初めて納得する人種だよね。

そしてその感覚は

天文学者にもあるんだよな。

ブラックホールが

あるかもしれないって研究が

発表された当時は

可能性としてはあるかもしれないけど

実際には存在しないんじゃないか

という意見が多かったんだそうだ。

だけど宇宙論の研究は

ここ100年足らずのうちに

おそろしいほど進化していく。

星の誕生やら終焉なんていう

あまりまともに扱われていなかったものが

星にも誕生・進化・終焉への流れが

あるんじゃないかって

ある程度研究が進んでいった結果

ブラックホールの存在が

徐々に天文学者たちの間で

受け入れられていったらしいんだ。

恒星の終焉の研究から

インドのチャンドラセカールさんや

アメリカのオッペンハイマーさんなんかが

白色矮星の質量の上限を導き出して

それ以上の質量を持つ恒星は

白色矮星どころか

中性子星にもなれずに

自重に押しつぶされて

収縮(重力崩壊)が進んで

ブラックホールになる可能性が

高いってことが導き出されてきたんだね。

ブラックホールってものが

どうもありそうだってところまでは

わかってきたんだけど

なんといっても相手は桁違いの存在。

直接観測するなんてことは

至難の業ってこと。

地球が仮にブラックホール状態の

密度を持つとすると

大体その半径は

1㎝くらいになるんだそうだ。

太陽の質量はおおよそ

地球の30万倍くらい

ブラックホールの密度

(そんな風に言うのかどうかわからないけど)

が同じだとすれば

太陽がブラックホール状態になると

その半径は67㎝くらいになるのかな。

有名なブラックホールで

地球から5500万光年離れたところにあって

M87」の中心にある

質量は太陽の65億倍っていわれる

巨大ブラックホールにしたって

半径にすれば1250m

宇宙のかなたの半径1㎞ほどの物体。

そのうえブラックホールを観測しようにも

ブラックホールからの光は

出てこない上に

反射する光も無いんだから

これを観測しろっていうのは

無謀だと思わない?

それでも科学者って人たちの執念はすさまじい。

絶対敵にはまわしてはいけない

人種なんだよ。

余談だけどね

ブラックホールは

ほぼあるってことに

科学者たちの考え方は

傾いていった。

そしてあるとすれば

どのような様子かってことも

理論の上には構築されていったわけだ。

だけどどうにも

観測するには相手が悪すぎる。

小さすぎるし

遠すぎるし

重すぎて光も出てこない。

本体を視覚(光の情報だね)で

得ることは不可能に近いんだ。

天文学者たちはあきらめない。

そしてやっとその尻尾を

捕まえたのは

50年ほど前

1972年のこと。

はくちょう座X-1。

もちろん本体が観測されたわけじゃない

でも周囲に存在するガスや

星が放つ光や電波

X線などを捉えることはできたってこと。

そしてその観測結果を

回析(遠心力による波長のドップラー効果など)で

ブラックホールが存在するっていう

間接的証拠が得られたってことらしい。

ブラックホール同士が合体するときに

発生したと思われる

重力波も2015年に観測されている。

これもブラックホールの

間接証拠だってことみたい。

ブラックホールは当然のこと

本体は目で見えない。

(光が出てこないし

跳ね返ってもこないんだものね)

ただブラックホールに

吸い込まれていく物質は

ブラックホールに吸い込まれる前に

周囲に円盤状の集まりを作る

という仮説が立っていた。

この円盤を降着円盤っていうらしいんだけど

その降着円盤は光ったり電波を出すことがある

ってところまで仮説は立っていたんだ。

だから輝くガスのようなものの真ん中に

影のようにぽっかり穴が開いていれば

(ブラックホール・シャドウっていうらしい)

それがブラックホール本体の

可能性が高いってことで

世界中の天文学者が

奮闘したってことだね。

なんとブラックホールを見つけるための

プロジェクトまで作られちゃった。

『イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)』

と呼ばれるプロジェクトは

世界各地の電波望遠鏡を繋ぎ合わせて

地球サイズの望遠鏡を作ろうっていう

壮大な計画。

この無茶な計画

なんと2019年に初めて

ブラックホールシャドウの撮像に

成功しちゃうんだから

たいしたもんだ。

これによってブラックホールの研究は

新たな段階へと進めることに

なったんだろうね。

そこから三年

もしかしたらもっとすごい観測結果が

出ているかもしれないけどね。

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