相対論vs量子論
アインシュタインさんを筆頭とする
相対性理論と
量子力学の世界とは
出発点や結論については
近いものがあるんだけど
どうやら少し考え方に
違いがあるみたいなんだよね。
有名な「神はサイコロを振らない」
じゃないけれど
アインシュタインさんは
幾何学を基にして
重力場ってものを想定したみたいなんだ。
幾何学っていうのは
数学の中でも
『因果関係』を中心に据えているからね。
その因果関係を軸に
重力系・加速系を『場』として捉えて
そこに置かれる物体を
『空間の曲がり』
その曲がりに身をゆだねる系を
慣性系としたってことだね。
ところが同じ『場』を提唱する
量子力学の考える『場』ってのとでは
すこし感覚が違うみたいなんだ。
なんといっても量子論は
因果関係を否定しちゃっているからね。
(もっとも確率解釈でのはなしだけど)
ぼくたちはこの両方を
かじっちゃっているから
逆に訳が分からくなるかもしれないんだよ。
ここまで書いてきた自然界にある
四つの力はそれぞれのゲージ粒子の
交換によって伝わっていくって考えかたは
どちらかと言えば量子力学寄り
なんじゃないかなって思えるね。
簡単に量子力学での
重力の捉え方を書いておくよ。
(以前に書いたのと重複するけどね)
重力場は質量を持つ物質が出す
仮想粒子が作るって考える。
これって電磁場を荷電粒子が出す
光子という仮想粒子が造るっていうのと同じだね。
この仮想粒子を『重力子(グラビトン)』っていうわけだ。
そのグラビトンが飛び回っている場所を
重力場とするってことだね。
電磁場の時に『光子』ってものが
実体のある『光子』と
なにかと反応して初めて実態を持つ
『仮想光子』ってものの捉え方を
むりやり統一しちゃったんだけど
量子力学の考え方では
このグラビトンも
『仮想重力子』が
質量に出会って初めて実態を
持つってことになっている。
けっして質量があるから
グラビトンが出てくるわけではないって
ややこしいことになっているけどね。
電波
このグラビトンにしても
グルーオン(強い力のゲージ粒子)
ウィークボゾン(弱い力のゲージ粒子)にしても
イメージを持つことが難しい。
だから、イメージをつかむために
電磁場をもうすこし
書いてみようと思うんだ。
(必ずしも同じ構造なのかどうかはわからないけどね)
はじめにあまりにも初歩的な問題。
電磁波ってどうやって
発生するんだろう?
ラジオなんかの電波だと
空中に張った針金(アンテナだね)の
両端の電圧を目まぐるしく
変えてやると
電波が発生することがわかっているよね。
良く書かれている説明だと
金属なんかに電流が流れると
その周りに磁界が発生して
電圧が変わると
磁界の強さも変わる。
磁界の強さが変わることによって
新たに電界が発生して
それがまた磁界を発生させる。
こうやって電界と磁界を
交互に発生しながら
空間を伝わっていくのが
電磁波である。 って書いてある。
電気が流れれば磁気が発生して
磁気が動けば電気が発生する。
なんとなくそんなもんだと
思っているけど
はたしてそんな単純な
ものなんだろうか。
電線を伝わる電気なら
方向も強さも
ある程度決まるかもしれないけど
電荷から発生する電気は
球状に広がっていくじゃない。
宇宙中が電子波で
満たされているって
想像できる?
電荷を持つものって
それこそ電子や原子核
すべてが電荷を持っているんだよ。
そこで出て来たのが
『場』という考え方。
荷電粒子(電子とか陽子なんかがそうだね)は
周りの時空間に
光子をばらまいている。
言ってみれば
この宇宙空間すべてが光子で
満たされているってことなんだろうね。
ただしこの光子は
『仮想光子』って言われるもの。
反応するのは電荷と磁荷。
電荷・磁荷と出会うと
正体を現すけど
それまでは質量さえない
存在と呼べるかどうかもわからない
『なにか』ってことだね。
その『なにか』が充満しているところを
『電場』『磁場』って呼ぶってことなんだと思うんだ。
どうやらその『なにか』が
この宇宙に充満しているって
ことなのかもしれないね。
実粒子と仮想粒子
光子と仮想光子っていうものは
同じものなのか別のものなのか
そしてその『仮想』っていう
『なにか』ってなんなんだ?
このあたりはどうも確定した結論が
出ていないんじゃないだろうか。
すくなくともぼくのわかる範囲での記述では
幾つかの想定があるみたいなんだよな。
ひとつの考え方を書いてみると
実在粒子は実粒子と仮想粒子とに
分けて考えることができるって書いてある。
実験・観測で確認される
粒子(実粒子だね)っていうのは
古典力学の運動方程式を
満たしていることを強調したい場合に
実粒子って呼ぶらしい。
一方仮想粒子は
実験では直接観測されない粒子のことで
反応の中間過程内に限定され
生成消滅するものらしい。
この反応の中間過程っていうのは
触媒じゃないけど
反応がおこるときにどこからともなく現れて
反応が終わるとどこかに消えてしまう
昭和のスーパーヒーローみたいなものなのかもしれないんだ。
電場と磁場に戻ろう。
光自体は電荷も磁荷も持っていないよね。
電荷を持った物質が光(光子)を交換することによって
電磁気力が発生するってこと。
電荷を持った粒子(電子とか陽子だよ)は
その周りの時空間に光(光子)を
ばらまいていると考えるわけだ。
その光(光子)は他の物質に出会わない限り
また自分に戻ってくるってことらしい。
電荷は光をお手玉しているとか
呼吸しているっていう説明は
このことらしいんだ。
光は光速で飛んでいくのに
どうやって戻ってくるのか
難しい問題だと思うんだけど
特殊相対性理論の考え方では
無限の時間があれば戻ってこれるそうだよ。
で、この光は普通の光じゃない。
物質が光を出すってことは
有限のエネルギーを出していることになるよね。
そしてこの電磁場を創り出す光は
周りの時空間を電場にするってことになっている。
もしもあらゆる方向あらゆる距離の場所を
継続的に電場にするってことになると
無限のエネルギーを持っていることにしないと
理屈が合わないよね。
だからこの光を『仮想光子』
他の電荷を持った物質に会わない限り
その正体を現さないってことにして
つじつまを合わせているってことじゃないかな。
どうやら電子一個しかこの宇宙になくても
その電子の周りには
無数の仮想光子が飛び回って
そこは電磁場だってことらしいんだ。