空間・時間のローレンツ変換

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さあ苦手な算数いってみよう。

ガリレイ変換を光速度が

一定だという条件のもとに書き直すと

x=A(x−vt)               (1)

t=Bx+Dt                (2)

だってことになったよね。

もうひとつ光速度が

一定だという条件の下では

12=(ct1)2     x22=(ct2)2  

この式が成り立つってことは

前に出てきている。

これはじぶんを絶対静止と考えるのならば

2=(ct2             (3)

x′2=(ct′)2          (4)

と書くことができる。

ここまでが大前提。

さあ書いてみるよ。

ただぼくたちがじっさいに

その方程式を解く必要は

ないのかもしれない。

だから考えかただけ知ればよくて

数式の部分は流してもいいとは思うけど。

まあ、一応書いてみよう。

(4)式に(1)(2)式を代入すると

A2(x−vt)2=c2(Bx+Dt)2

A2(x2−2vxt+v2t2)=c2(B2x2+2BDxt+D2t2)

(A2−c2B2)x2=(c2D2−A2v2)t2+(2c2BD+2A2v)xt

ってことになる。

まあ途中経過はこんなもんだって

思っていればいいんじゃないかな。

で、これを(3)式と比較してみよう。

そうすれば

A2−c2B2=1

c2D2−A2v2=c2

2c2BD+2A2v=0

っていうABDを求めるための

連立方程式が出てくるんだよな。

これを解いていくと

(解き方は延々と数字が続くから

パスするけど)

 A=D=1/1−v2/c2

 B=(−v/c2)/1−v2/c2

というA・B・Dの数値が出てくる。

さあこれをガリレイ変換から

ローレンツ変換に変えるための

係数をかけた(1)(2)式に

戻してみよう。

x=(x−vt)/1−v2/c2             (5)

t=(−v/c2x+t)/1−v2/c2          (6)

という変換式が出てくるんだよな。

これ考えていると

頭が痛くなるから

(5)(6)だけ結論ってことに

しておいていいと思うよ。

空間・時間のローレンツ変換

繰り返して出てくる数式なんだけど

覚えているかな?

1/√1−v2/c2 っていう数式を。

エーテルの存在証明の時に

(マイケルソンさんとモーリーさんの実験)

理論のつじつまを合わせるために

フィッツジェラルドさんと

ローレンツさんが導きだした数式。

一般に『ローレンツ因子』って言われているものが

ここにも出てくることになったんだ。

もっともこのローレンツ因子が

相対速度のある系どうしの

関係性を導くための数式なんだから

当たり前と言えば当たり前なんだけど

これまでなんとなくそんなもんだって

勝手にぼくが書いていたみたいだった数式に

やっと数学的裏付けができたってことだね。

で、この(5)(6)式はそれぞれ

(5)式を空間のローレンツ変換

(6)式を時間のローレンツ変換

というらしいんだ。

算数が苦手なぼくには

少々複雑怪奇に見えるけど

計算はPCに任せればいいじゃない。

この変換式を使えば

光速度が不変って条件の下で

相手の座標を自分の座標で

表すことができるんだから

便利っていうか

やっとぼくたちの住んでいる

四次元の世界のことを

ちゃんと表せることができるようになったってことだね。

これまでぼくたちは

三次元の世界の住人みたいな

顔をしていたけど

じっさいのところ

時間の中も漂っていたんだから

これで本当の大人の仲間入りってこと

かもしれないんだよ。

ニュートン力学

とくにガリレイ変換なんかは

相対速度(vだね)が

光速(cだよ)に比べて

あまりに遅すぎたから成立していた

近似値ってことなんだから。

ローレンツ変換

空間のローレンツ変換は

x=(x−vt)/1−v2/c2             (5)

時間のローレンツ変換は

t=(−v/c2x+t)/1−v2/c2          (6)

ってことがわかった。(ことにしておこう)

でもこれっていちいち書くのが

面倒くさいじゃない。

数学は言語だって言ったよね

だからそれを表す単語をつくっちゃえ 

っていうのが言語の進化。

(そしていよいよ複雑になっていくこともあるんだけどね)

このなかで頻繁に出てきて

なおかつキーとなるのが

『ローレンツ因子』。

だからこれを一つの単語で表してしまえって

物理学者の賛同を得たのが

『γ(ギリシャ文字のガンマ)』だね。

ようするに

γ=1/1−v2/c2 って

表すことにしたんだ。

するとローレンツ変換は次のように書けるようになる。

x=γ (x−vt)                (5’)

t′=γ(−v/c2×x+t)             (6’)

このあたりから

数学云々じゃなくて

言語の使い方のトリックみたいに

数字を扱っていくから

ひっかからないでね。

まず相対論でよく使われる

光の距離(時間×光の速さ)を表す(ct)

『w』ってしてみる。

もうひとつこれも相対論ではよく出てくる

相対速度(v)を光速(c)で割ることを表す(c/v)

『β(これもギリシャ文字のベータだね)』

ってことにするんだ。

わかりにくくなるから

もう一度記号を書いておくと

γはローレンツ因子

wは(ct)

βは(c/v) ってことだよ。

さあ、それぞれを(5’)(6’)式に

組み込んでみよう。

x=γ(x−v/c×w)

w/c=γ(−v/c2×x+w/c) w=γ(−v/c×x+w)

そこにβも代入しちゃうと

x=γ(x−βw)                (5’’)

w=γ(−βx+w)               (6’’)

っていう数式が出てきちゃう。

この数式ってきれいな対称性を

描いていると思わない?

これってじつは

初めのほうに書いた

横軸を空間軸にして

縦軸を時間軸にするときに

縦軸にtじゃなくてctを置くとした

ミンコフスキー時空座標の

狙いのひとつでもあるんだね。

納得できない人も

多いかもしれないけど

つたないぼくが検算しても

そうなっちゃうんだよね。

意外と簡単だから挑戦してみる?

もっとも時間はかかるんだけど。

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