二次元から三次元へ
2次元ピタゴラス定理って
じっさいに計算するのは大変だけど
使い方は簡単。
ぼくの家から富士山までの距離はだいたいわかる。
富士山の高さは3776m。
だったら富士山の山頂と
ぼくの家までの距離ってものが
すぐに出るってこと。
(出たからってどうなるってもんでもないけど)
計算にしたって
最近なら電卓一つで
すぐにわかるしね。
今富士山とぼくの家ってことで
長さを考えたけど
これはじつは2次元ピタゴラス定理で
十分に導き出せるものだよね。
でも、ぼくたちの生活しているのは
3次元空間。
1次元の空間では1つの座標の値
2次元の空間では2つの座標の値
当然3次元の空間である点の位置を表すのには
3つの座標の値が必要になってくるってこと。
本とかPCのディスプレイなんかは
平面(2次元)だから
むりやり地図なんかを平らに書いて説明したりするけど
じっさいは地球だって
丸い(らしい)んだから
2次元で表現するのは
無理があるんだよな。
だから頭の中で想像するのは
むずかしいんだけど
さっきの直交座標にもう一つ
直角に交わる線を考えたのが
3次元の直交座標。
X・Y・Z軸って
聞いたことがあるだろうし
単純に縦・横・高さなんだから
なじみがあるものには違いないんだけど
いざグラフで考えろって言われたら
うまく想像できるかどうかは
別問題。
いままでテレビの平面画像を
見ていた人に
VRの説明するみたいなものだからね。
三次元ピタゴラス定理
X・Y・Z軸の図表を想像するのは
ぼくなんかにはむずかしいんだけど
この相対論に必要とされるくらいの図表だったら
それほど苦労しなくても理解できるかもしれない。
X・Y・Zを同時に考えるから
ややこしいだけで
X・Yの関係
Y・Zの関係
Z・Xの関係って具合に
分けて考えていけば
手間がかかるだけで
2次元と同じことなんだからね。
ちょっとだけ数式を書いてみるけど
2次元で点aの座標を
点a(x1、y1)としよう
点b(x2、y2)とするね。
aとbとの距離をLとしてみよう。
すると2点間の距離の二乗L2は
(x2-x1)2+(y2-y1)2
になる。
これを3次元に当てはめると
点aの位置は(x1,y1,z1)で表すことになるよね。
点bは(x2,y2,z2)になる。
点aと点bとの距離は
これは2次元も3次元も同じことだから
Lってことにしておこう。
では三次元でのLの長さの求め方は? って
実は同じようなことなんだ。
Zが増えた分
計算がちょっと面倒くさくなるだけのこと。
三次元ピタゴラス定理で求める
Lの長さは
L2=(x2−x1)2+(y2−y1)2+(z2−z1)2
なんだ。
不変量
二次元でも三次元でも
もちろん一次元でも
位置の座標さえあれば
その次元の中での一点の位置は
確定できる。
ってことでいいよね。
あまりに当たり前のこと過ぎて
わざわざ書くほどのことは無いって意見には
ぼくも賛成。
たとえば二つの点(aとb)を選んで
その距離をLとする
なんていうさっきまで一生懸命書いていたことでも
数式を書いて小難しく書いてみたけど
当たり前すぎるって言われれば
それまでのことなんだ。
もうひとつぼくにとっては
当たり前のことに思えるのが
その距離はどこへもっていっても
同じはずだってこと。
ことばで書くと
「何言ってんだ?」って感じだけど
たとえば空中に棒があるとしようよ
その一端をa反対の端をbとすれば
棒の長さがLってことだね。
その棒って投げ飛ばしても
どこか遠くへ持っていっても
同じ長さってことは
あまりにも当たり前じゃないかな。
このどこへ持っていっても
変わらないっていう長さのことを
『不変量』っていうらしいんだ。
だから一次元でも二次元でも
もちろん三次元でも
この二点間の距離は
不変量だ。
って当たり前のことだし
だれもが疑っていなかったはずなんだけど。
そこに特殊相対性理論が出てきちゃった。
光の速度がどの慣性系から見ても
同じってことを前提としちゃうと
動いている者同士の
持っている棒の長さは
違って観測されるって。
さてどうしたらいいのだろう?