人件費は『固定費』か『比例費』か

独り言
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製造業

新型コロナなんてものの影響が

表面的には落ち着きをみせているような雰囲気が

漂ってきたね。

テレビなんかでも報道がコロナ一色って感じじゃなくなってきたもの。

まあ、良かったということにしておこう。

でも実際のところはこれからが本番なんじゃないかな。

良く言われる「第二波、第三波」ってことじゃなくて

経済のほうはこれからが本番を迎えそうで怖い。

コロナの流行に第二波・第三波が来るかどうかは

(流行するのは間違いないと思うけど)

何か月後かにわかるだろうけど

『専門家』って人たちが力説しているのは

100年も前のスペイン風邪を参考にしての話だからね。

その後のサーズやマーズ、鳥インフルエンザなんかには

第二波はなかったように思うんだ。

だから大丈夫なんて無責任なことは言えないけど

それより経済のほうが心配だよね。

『専門家』って人たちはなにか根拠(証拠かな今はやりだとエビデンス)をもとに

解説しようとするから

経済状況でも『リーマンショック』を引き合いに出してくるけど

どうも今回の状況は違うように思うな。

今スポットライトが当てられているのは

飲食・観光業だけど

もともとこのあたりの職種は根無し草みたいなところがあるから

逐次入れ替わっていくもんだ。

(その根無し草の末端にいるぼくが言うぐらいなんだから)

日本経済のバロメーターとされる

建設業ももうすぐスポットライトが当てられるだろうけど

いちばん気になるのは日本の縁の下の力持ち

製造業なんだよな。

どうやら軒並み業績悪化しているらしい。

それでもかれらは底力があるから

何とか踏ん張っているみたいだけどね。

『持続化補助金』みたいな制度をだれが考えたのか知らないけど

本当に何とか耐え忍ぼうとしている職種は

前年対比50%なんて数字をたたき出さないんだよ。

何とか頑張ってそれでも20%、30%ダウンしちゃって

青息吐息ってとこかもしれないだ。

サーバーダウン

そんな中でも忙しいところも当然ある。

コロナ特需なんて言うけど

ほんとうに忙しい業種の人たちは

とてもじゃないけど儲けることのために

動いている感じじゃないね。

ほんとうに半死半生って感じでひたすら目の前のことを

こなしていくだけで精一杯みたい。

ぼくは飲み屋のおやじだって前に書いたかもしれないけど

来るお客さんでこの時期儲かっているタイプは二種類。

ひとつはそれこそ半死半生

グタグタに疲れ切って一瞬だけ気を抜きに来ているお客さん。

もうひとつはなぜか想像もつかない動き方をする

株やなんかの投機で儲かっている人。

ちょっと帳簿を操作すれば前年対比の売り上げなんて

簡単に50%以下にすることなんて簡単な職種もあるからね

それを利用すれば無利子無担保の融資も受けられるんだから

投機にはもってこい。

良いか悪いかなんて人によって捉え方はいろいろだと思うよ。

好きか嫌いかになるとぼくにとっては……

だけどね。

今回は半死半生のひとのはなし。

どことは言わないけど、とある大手(?)メーカーさん。

なんとこれまでの仕事とはまるで関係のない

『マスク』なんてものを作っちゃった。

なぜそんなものに手を出したのかってのには

なかなか面白い話があるんだけど割愛しておこう。

ただ日本で製造するのにはそこしかできなかった

事情があるってことにしておいて。

とにかくそれこそ手探りの中

なんとか製品の販売までこぎつけたんだ。

初期の納入先はもちろん日本政府だったけど

しばらくしてから一般販売が始まった。

で、ここで問題。

メーカーさん、特にマスク製造部署があるのは

B to Bの取引がメイン。

一般顧客の注文数を予測することさえできるわけがない。

となると当然の結果がでるわけだ。

このあたりはニュースにもなっているから

知っている人は多いと思うけど

おきまりのサーバーダウン。

マスク専用サーバーと先着販売から抽選販売へと

なんとか販売ができたらしい。

このダウンしたサーバー

どうやら会社の業務用のメールなんかも紐付けられていたみたい。

この時期在宅テレワークがおこなわれていた時期。

どうも丸一日業務が停止してしまったってことになったらしい。

担当者曰く

「サーバーダウンしたんじゃない。サーバーがぶっ壊れた」って

走り回っていたみたいだよ。

なぜマスク?

このサーバーダウンは余談。

考えさせられることがあったんだ。

なぜこのメーカーが『マスク』なんてものに

手を出したのかって。

ひとつはもちろん売り上げ数字の問題がある。

新たな投下資本の回収という点だけで見れば

十分に採算は取れるだろうけど

大企業にとって業務のひとつの柱にするには

微々たる金額。

そのうえ一時期の需要しか見込めないんだよね。

現実にこのコロナが終息して

(完全には終わらないだろうけどなんらかの対応薬ができれば

既存のインフルエンザくらいの脅威になると思うよ)

海外からの輸入が通常に戻れば

後はおきまりの価格競争。

日本国内生産のマスクが価格で勝てるわけがないもんね。

だからこのプロジェクトは将来にわたっての

経営を支える柱にはなりえないわけだ。

もうひとつ考えられる理由としては

広告効果ってのがある。

非常事態にマスク生産で名乗りを上げるってことは

それだけでニュースバリューがある。

単一製品のコマーシャルじゃなくて

企業イメージ広告としては絶大。

なんといっても国営放送まで宣伝してくれるんだ。

なにより外資に身売りした企業というイメージの

緩和には役立つ。

そして親会社のイメージも良くなるんじゃないかな。

戦略としてはわかるような気がするね。

製造業の雇用

でもちょっと待って

親会社の日本担当会長ってのは

おそろしいほどの切れ者。

こんなぼくにでもわかるようなことだけで

動くんだろうか?

はなしを聞いてみるとマスク製造には

ある程度のマンパワーがいるらしい。

その人材はどこから引っ張ってくるんだろう?

社内から人手をまわせば他の部門が手薄になるんじゃないのかな?

コロナの影響は製造業全体に及んでいる。

なんといっても現在じゃサプライチェーンが形成されちゃっているから

ひとつがこければみなこける状態。

どの業界も(一部特需業界をのぞけば)軒並み生産ダウン状態

この会社でも他部署から人を引っ張ってきても

なんとか業務が回る状態らしい。

もしかしたらこのマスク製造

雇用を守るための方策だったんじゃないだろうか。

だとしたら一石二鳥どころか三鳥、四鳥ぐらい狙った

戦略かもしれない。

日本の会社が人員削減をするよりも

外資の資本が入った会社が人員削減するほうが

風当たりが強くなる

その辺りの計算もあったんだろうね。

アメリカの雇用統計が発表されて

失業者数の大幅減少が発表されたみたい。

日本だとあれほどの失業者増大もないだろうけど

これほどの減少もないだろうね。

どちらがいいとか悪いとかいう問題じゃないんだよ。

ただ、これからもいろいろな問題が待ち受けていると思う。

疫病だけじゃなく、戦争や自然災害

水や食料なんかも怖いよね。

そんな中で日本が経済的になんとかやっていくには

この雇用ってものの考え方に変化が起きるんじゃないのかな。

同じようなことをしようとした東京のタクシー会社なんて

思い切り叩かれたもんね。

日本じゃ『人件費』ってのは『固定費』扱い

でもね、ここに出てもらった某メーカーの親会社じゃ

『人件費』はどうやら『比例費』扱いらしいんだよな。

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