アリストテレス

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     アリストテレス:フィロソフィア

フィロソフィアってどこかで聞いたことないかな。

フィロは愛、ソフィアは知

「知を愛する」って素敵な言葉だよね。

これが広まってヨーロッパ系言語で

哲学の語源になったってことらしいんんだけど。

それだけアリストテレスってひとは

西洋哲学に影響を与えたんだそうだ。

もっともそのおかげでガリレイさんがしいたげられたって

はなしもあるぐらいなんだけどね。

ガリレイさんってあの

「それでも地球は動く」っていったという地動説の学者さん。

どんな世界でもそうだけど

偉大な人、本人はその気が無くても

取り巻きや信奉者の人ってのはこりかたまった考え方になるから困ったもんだ。

宗教なんかもそうだけど後世の人が勝手に解釈したものが

いつのまにか真実ってことになってるばあいって多いんだよ。

はなしは戻ってアリストテレスさん

この時代の哲学者の特徴でもある全ての分野で名を成している。

まずは論理学。

経験的事象(わかっていること、のことかな)

を元に演繹的(じゅんばんにつみあげていく、としておこう)

に真実を導き出すっていう方法を推奨

今で言う演繹法のはしりだね。

とくに三段論法なんかのひながたになっているらしい。

もともとプラトンさんの弟子

対話してものごとの本質をみきわめようよって

発想のひとだからとうぜんといえばとうぜん。

そんな論理を積み上げるという考え方を『道具』に使って

理論の学問として、自然科学・形而上学。

実践の学問として、政治学・倫理学。

制作の学問として、詩学。

およそすべてに手を出しているわけだ。

ただ自然科学については演繹法ですべて解決できるってもんじゃないんだよな。

もともと演繹法ってのは前提が正しければ結果も正しい

って発想なんだから

正しい前提の構築ってのが最大の問題。

なんといってもむかしのこと

実験装置なんてのも思うようにいかなかっただろうし

計測装置だってむずかしかったと思う。

だから、今でも使われるけど思考実験(あたまの中で実験することだね)が

多用されたんじゃないかって思えるんだ。

頭の中だけでくみ上げていく作業ってすごいとはおもうけど

一歩間違えばとんでもない結論に

なったかもしれないんだよな。

     アリストテレス:可能態・現実態

アリストテレスさんの功績はいっぱいあるけど

ぼくの関心のあるところだけ見てみよう。

プラトンさんの説のいちばんの特徴『イデア』。

ぼくなりの勝手な解釈でもうしわけないけど

現象ってやつはもともと本質ってのがあって

それの不完全な模倣だよ、ってことだろう。

その本質はなぜわかるんだ?

それは魂ってのがもともと神さんとおなじところにいて本質を見ていたから

そして、かすかに記憶しているからだよ。

ってことじゃないかな。

そうなると、そのイデアっていう本質は

存在の外側にいるってことになるんだよね。

で、アリストテレスさん。

いやいや本質は存在のなかにあるんだよ

って言いきっちゃった。

存在がそもそも何でできているか

(質料因って訳されてる)

存在の今ある実体・本質はなにか

(形相因)

存在が変化していく力はなにか

(動力因)

目指す方向はなにか

(目的因)

それを知ることによって現状の未完成なものが

完成された本質に近づいていく。

って、わかりにくいなぁ。

存在として本来持っている可能性と今現在の存在とは別物だよ

ってことなのかもしれない。

どうにも言葉があいまいすぎて

どうとでもとれるからこまったもんだね。

あくまでもぼくの独断でいくと

イデア論だと今のぼくたちのせかいは

イリュージョンみたいなもの

本来の高みを目指しましょう、で

アリストテレスさんは

ぼくたちは未だに未完成

完成体になろうとしている途中だよ

ってことになるんじゃないかな。

存在の持っている可能性(可能態って言うらしい)と

実際に存在している姿(現実態)は

違うものだよ、ってことらしい。

ちなみに質料を持たない純粋形相(わかりにくいなぁ・・・)

として最高の現実態を「神」(不動の動者)と呼ぶらしいよ。

     アリストテレス:天動説とエーテル

アリストテレスさんの世界観の一部を紹介しておこう。

物の特性(空の本質だよね)は

対立する性質が組み合わさったものなんだ。

基礎には火・空気・水・土の四大元素があって

火・空気・水・土がそれぞれ別個のものでありながら

時々でいろいろな組み合わせがおこなわれることによって

種々の物が存在する、ってことらしい。

この四代元素って考え方は

エンペドクレスさんてアリストテレスさんの

100年くらい前の人が提唱しているんだけどね。

対立する性質の組み合わせって考え方は

多神教の世界ではもともとよく出てくる考え方。

それを現象にあてはめて本質に届かそうとするのは

やはり天才なんだろうな。

この考え方、火・空気・水・土って名指しするから

『あれっ?』なんかおかしいんじゃないって思うけど

すべてのものが基本構成物で出来あがっていて

その組み合わせとそこに加えられる

エネルギーによって存在しているってかんがえれば

量子論につながっている気が・・・

って考えすぎかな。

ただ、現在アリストテレスさんが

それほど科学的に重要視されないのは

天動説とエーテルのせいかもしれない。

世界の中心に地球があって

月や水星、金星、その他の惑星、そして太陽

それぞれの運行域に割り当てられた層が

あるんだよ、とした天動説。

そしてこの層は

四大元素とは違う第五元素で満たされていて

その第五元素は完全元素(エーテル)である

としたエーテルの提唱。

現在では天動説は否定されているし

エーテルは意味の変更か否定の方向に

向かっているもんね。

だからその後の

層の上には『不動の動者』という

世界全体に関わる『第一動者』がいて

すべての運動の究極の原因がそれであるという説が

科学ではなく神学のほうで使われることになってしまったんだけど・・・

でもね、この考え方って

おもしろいかもしれないんだよ。 

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