探偵の謎解き Ⅰ
ニュートン力学の計算式に入っている変数は
ガリレオ変換
ニュートン力学 そして電磁気学の
どちらにも齟齬の無いような変数として
組み入れられたのが
ローレンツ変換
ガリレオ変換は低速(ぼくたちが認識できるくらいの)における
近似値だってことだね
電磁気学なんてガリレオさんの時代には
確立されていなかったんだから
ガリレオ変換に光の速さでの変換式を
求めるほうが無理だったってこと
運動方程式に使われているガリレオ変換という変数を
ローレンツ変換という変数に置き換えることによって
電磁気学にも運動方程式を組み入れることができる
これによって電磁気学において疑問視されていた運動方程式を
ある意味救ったってことなんだ
特殊相対性理論がニュートン力学の
拡張理論と言われる所以 ってこと
光の速度が一定ということは
光の速度がどうのこうのじゃなくて
宇宙(ぼくたちの世界)には光速以上の速度で
動くものはみつけられない ってことじゃないかな
ぼくたちの認識における最高速が光速だってこと
じっさいに光速を超える速度が無いとは言えない
未だに観測されていないのか
もしくは人間には認識できないのかは分からないけど
現在のところでは観測されていないだけだね
ただ単純に3次元空間だけを考えると
高速で移動する物体から照射された光が
高速を超えないという事象は
物理法則にとって組み込みにくいことは事実
だからそこに組み入れられたのが
宇宙(世界でもいいけど)は単純な
3次元空間じゃない ってこと
宇宙は空間と時間が絡み合った存在だってことだね
速度ってものは距離÷時間
これがぼくたちの認識できる速度ってもの
その認識において宇宙最高速が
光速を超えることができないとするのならば
距離÷時間というものが静止状態から光速までの間で
収斂するように距離・時間が調節されている
そう考えればつじつまが合っちゃう
物理学としてはおかしいけど
静止状態は 0÷時間 最高速は ∞÷時間
この値が0~c(約30万km/s)に収まるように
距離・時間が変化するのが
ぼくたちのいる宇宙ってことにすれば
これまた運動方程式を光に対しても
適合させることが出来るってことだね
このことは実験観測の結果というより
ローレンツ変換の式から
必然的に算出されることだけど
探偵の謎解き Ⅱ
実験・観測で出て来た証拠を素直に受け入れることで
ニュートン力学と齟齬の出かけた
電磁気学の説明 光速の計測結果の異常性
これらに対する解答を出したわけだ
はたしてこの解答が正しいのかどうか
そのあたりはこれから先どのような観測結果が出てくるのか
それこそ神のみぞ知る だけど
現在のところ アインシュタインさんの結論は
支持されているってところじゃないかな
最後の宇宙は真空なのに光が届く
この問題はアインシュタインさんより
電磁気学のファラデーさんやマクスウェルさんに
話を譲った方がいいかもしれない
光 後になって電磁波の中の可視光線ってことになったんだけど
その光が宇宙を伝わる仕組みを
『場』という概念で説明したのがファラデーさん
それを理論・体形的にまとめたのがマクスウェルさん
電荷のあるところには電場がある
磁荷のあるところには磁場がある
だから宇宙は電場と磁場というものがある って
理論としてはわからなくないけど
では『場』ってなに? って聞かれて
正確に答えられるのかどうか
ぼくのわかる範囲の調べでは
出て来なかったけどね
宇宙はなにかで満たされている
そこまではぼくも大賛成
なんといってもぼくは『エーテル』賛成論者だもの
そしてデカルトさんたちが組み込もうとした
なんらかの物理実体を持つ『エーテル』ってものが
否定されたってことにも不満は無い
そう 物理的な実体を持つ『エーテル』
フックさんが光が波動ならば必要だとされる
物理的な媒質としてのエーテルは
否定されたと考えてもいいんじゃないかな
ただ アインシュタインさんの
真空であっても重力場や電磁場といった
『場』の存在する空間を
『エーテル』と呼んでもいいんじゃないか という
考えかたには心惹かれるものがあるんだ
ただし問題が一つ
アインシュタインさん流『エーテル』の考えだと
エーテルには普遍的な位置・時間が
存在しないことになっちゃう
エーテルに対する相対運動という概念が
成立しないってことだね
これって 相対性原理に反しないかな?
実体があれば『エーテル』もしくは『なにか』の概念を
導入することによって物理法則を考え直す必要があるだろうし
実体が無ければ『エーテル』 もしくは『なにか』を
物理学の範疇にいれてもいいのか という
疑問が出てくるように思えるけど
宇宙を満たしている『エーテル』 もしくは『なにか』は
人間にとって認識できる実体があるのか 無いのか
だれかが答えを出してくれているんだろうか
一般相対性理論
ニュートンさんが最後まで納得しなかった
でも そうしないと理屈が成り立たなかった
引力の遠隔作用論
何度も書いているけど
力はくっついているものの間で伝わる
そういう考え方がもともと主流だったんだね
それこそ太古の昔からぼくたちが目にしてきたのは
近接作用だけだったんだ
たしかに目に見えない力で物が動くとか
熱や光を持つ なんてものはあったよ
それを神や霊 神秘の力として
恐れおののいたり 崇拝したり
そういう時代があったのは間違いない
そういった神秘主義に待ったをかけたのが哲学者たち
そして哲学から様々な方向に分岐していった
学問体系の中の一つが『物理学』 ってことだね
哲学も自然科学も基本にあるのは因果律
厳密に言えば『因・縁・果』の法則の内の
『縁』を解き明かすってことじゃないかな
『縁』というとどこか宗教的なイメージがあるけど
『作用素』とか『演算子』なんて言い換えれば
学問的な響きが出てくるだけで
どれにしても似たようなことだよね
そこにニュートンさんが力の伝達方法に
『遠隔作用』を導入しちゃった
引力の伝わる『近接作用』の説明が
どうしても思いつかなかったんだろうね
本人も納得は出来なかったみたいだけど
計算上そうせざるを得なかった ってことみたい
もし 電磁気学で提唱された『場』という概念があれば
引力に対しても『場』を適用していたかもしれない
この『場』の概念を引力にも適用したのが
アインシュタインさん
引力は遠隔作用の力では無くて
その力は重力場という宇宙空間を満たしている
『場』が伝える としたんだ
だからこそ重力質量だけが天体運行の鍵を握るんじゃなく
慣性質量もその影響を周囲に及ぼす
その辺りが一般相対性理論の骨子じゃないのかな

