エネルギー保存則
エネルギー保存の法則
この言葉もよく聞く言葉だね
閉じられた系の中にあるエネルギーの総量は
変化しないという
ある意味 当たり前のように皆が信じている説
閉じられた系っていうのは
外から別のエネルギーが入ってこない
こちらからもエネルギーが逃げ出さない
そういった特殊な状態の系ってことだよ
もちろん これも 物理学得意の
今のところ正しいとされる仮説なんだ
実際 今までのところ実験・観測の結果
否定的結果は出ていないみたいだけど
特に 熱力学の世界では基本的な法則として
前提に組み込まれているんだ
(熱力学第一法則がそうだよね)
ただし 困ったことにこのエネルギーってものは
その姿を色々に変えちゃうんだよ
エネルギーって言うものの定義は
「仕事をすることができる能力」
では仕事ってなんだ? と 言われれば
ものを動かしたり ものを温めたり まわりを明るくしたりなんて
多種にわたっているんだから当然と言えば当然
すごく単純な例で申し訳ないけどエンジンを考えてみてよ
ガソリンなんかの化学エネルギーを運動エネルギーに変えたり
モーターは電気エネルギーを運動エネルギーに変えている
その電気は化学エネルギーや光・原子・位置エネルギーを使って
生み出されるんだからね
エネルギー保存則はそれらすべてのエネルギーの総和が
閉じられた系では変化しない ということなんだろうな
不変量
空間を三次元空間に限定すれば
違う速度の慣性系の間では同じ物理法則の観測をしても
違う測定結果が出てしまう
違う速度の慣性系の片方から見れば
他方の観測結果は自分が属している物理法則の観測結果とは
違っちゃう ってことだね
そこで空間を三次元空間ではなく
四次元空間 時間も空間に組み込むと
時空間としての共通項が出てくるんじゃないか
っていうのが不変量の考え方
凄く遠回りしたけどやっと不変量のところに戻れそうだ
エネルギー保存則を一番基礎にしているのは熱力学の世界
だけど ある意味 物理学でも基本定理に近い扱いをされているのが
この保存則
力学(古典力学)では力学的エネルギーの法則と呼ばれて
基礎の一部に置かれている
力学的エネルギーというのは
運動エネルギーと位置エネルギー
この二つのエネルギーの和は外部から力が加わらない限り一定
そういうことらしい
位置エネルギーっていうのは
物の質量×重力の加速度×高さだね
だから 物体の高さが変わらない限り
(重力に対する位置の変化?)
物体のエネルギーの変化は
運動エネルギーに準じるってことになるわけだ
さて 話を戻すよ
速度の違う慣性系の間では
各々の『空間』の物理法則を理解するのに通訳がいる
そんなはなしを長々書いていたね
その通訳がローレンツ変換
そして ローレンツ変換を読み解いていくと
この世界を『時空間』と認識した場合の
共通量が規定できるってことも
言葉にするとややこしいけど
それが前にグダグダ書いていた不変量ってものだね
宇宙にはそれぞれに違った速度で動いている系がある
お互いに相手を観測した場合に
空間として捉えるのには通訳が必要
でも 時空間として捉えると共通項が出来ちゃう
位置や距離 速度なんていうものの
不変量が導き出せるってこと
4元位置や4元距離 4元速度が導き出せるってことなんだ
だったら 4元運動量
そんなものが導き出せてもおかしくないんじゃないかな
運動量
運動量って 聞いたことがあると思うよ
質量×速度ってやつだね
運動量と運動エネルギーでは算出の仕方が違うけど
(活力論争の元だね)
基本この重さ×速さで
動いているものの力は表せるってこと
速度っていうものの不変量として
4元速度が求められたよね
問題は質量
特殊相対性理論では重さというものは
相対的でその速度に依存するってことになっている
でも 質量そのものは慣性系に依存しない
そういうことになっているみたいなんだ
なんとなく わかったようなわからないような説明だけど
要は どの慣性系から見ても
物体には不変な質量があるよ ってことらしい
たしかに 電車に乗っているぼくと
駅で止まっているぼくの体重を測る時に
どの慣性系の基準で測るかによって
その数値が変わる可能性はあるけど
本体(ぼく自身だね)の持っている重さ(質量)が
変わるというのはおかしなはなしだよね
納得ができるかどうかはひとまず置いて
質量は不変量だってことにしておこう
だから 不変量の4元速度と不変量の質量を掛けるってことで
4元運動量ってものもできそうなんだ
ただし 3元速度は距離÷時間
4元速度は距離÷各慣性系の固有時
この固有時を求めるためには
時間に光速を掛けたctを使ったよね
距離/ctにしちゃったってことなんだ
この無理やりのおかげで問題も発生しちゃう
ひとつはtの単位は時間
だけどctの単位は距離
だから 単位合わせをしなくちゃならない
もう一つ 距離/ctはcの分だけ余分に割り過ぎちゃっている
だから本当は 4元速度を表すのには
割り過ぎているcをまた掛けてやる必要がある
まあ どちらも大した問題じゃないけど
さて 質量はスカラー量 速度はベクトル量だね
スカラー量×ベクトル量は
ベクトル量になっちゃうことになっている
だから 4元運動量もベクトル量になる
そうすると運動量を4次元で考えるときには
縦・横・高さ・時間(時間×光速)の
4つの方向の運動量を考える必要が出てくるのが当然
3次元の運動量だって
x・y・zの三方向ベクトルを考える必要があるんだから
4次元の各成分を考えると
x軸はx方向の速度×質量×γ(ローレンツ因子だよ)
y軸はy方向の速度×質量×γ
z軸はz方向の速度×質量×γ
そして
ct軸はct軸方向の速度×質量×γ
これを算出すると4元運動量が出来上がるってわけだ