ローレンツ変換
質量とエネルギーの等価性に行く前に
もう少しだけ寄り道をしてみよう
ローレンツ変換 というものが実際正しいのかどうかは
これからの課題なんだと思うよ
今のところ 様々な実験・観測の結果
違っているという結論が出ていないから
物理学得意の「今のところ正しい仮説」
ってことになっているけどね
このローレンツ変換(ローレンツ因子かな)を正しいとすると
おもしろい計算結果が出てくる
相対性理論の入門書によく書かれている
時間が縮む とか
棒の長さが縮んで見える とか
宇宙旅行をした双子の年齢が変わる なんて話が
浦島太郎伝説は宇宙旅行に行った人の実話だ
なんていうのもあったね
世間常識(?)からすると信じがたいことだけど
ローレンツ変換を紐解いていけば
そういった結果が出てしまうんだから
あきらめるしかないかも
その中で出て来たのが
質量とエネルギーの等価性ってものなんだ
この難しい名前の論文は知らなくても
『E=Mc2』 という言葉は
聞いたことがある人が多いだろうね
エネルギーは質量に光速の二乗を掛けたものに比例する
現代のぼくたちには そんなものかと
わからないなりに受け入れることが出来そうな話だけど
発表当時は そのことがなにを意味するのか
分かっていた人なんて
ほとんどいなかったんじゃないかな
ローレンツ変換では宇宙空間を
三次元空間じゃなくて
四次元(?)時空間として捉えることになっちゃう
縦・横・高さにプラスして
時間という要素が加わるってことだね
そうなれば静止している(三次元では動かない)ものも
時間という方向に動いている可能性が出てくる
『運動』ということを考えれば
そこにエネルギーが発生するのは
当たり前なのかもしれないんだよ
エネルギー Ⅰ
ぼくたちは簡単にエネルギーって言葉を使っている
でも エネルギーってなんだ? って質問されて
明確に答えられる人がどのくらいいるんだろう?
物理学のことだから一応定義ってものはあるんだよ
「仕事をすることのできる能力のことを指す」 って
他にも
「物体や系が持っている仕事をする能力の総称」
なんていうのもあるね
では この『仕事』ってなんだ?
もともと なにかを動かす(動く)ってことは昔から
当たり前に知られていた現象だね
重い石を持ち上げる とか 誰かをぶっ飛ばす とか
そういった現象に対しては
『力』という言葉が使われていたと思うんだ
その 力ってものを物理学の舞台に上げたのは
やはり ガリレオさんみたい
物の重さと速さ
この二つが力の源じゃないか
ということを発表しちゃった
後にデカルトさんとライプニッツさんとの
活力論争なんてものも出て来たけど
力学的には速さ×重さが
『力』ということが定着してきたんだ
物が動くってことは
『力』が仕事をしているって言い換えても
さして問題は無い
一方 温度ってものにも変化がある
温度が上がったり下がったり。
これも なにかの『力』が出たり入ったりで
起きるんじゃないかって言われてた
『カロリック説』ってやつだね
これも なにかの『力』というものが
仕事をしていると言えるのかもしれない
では『力』とはなにか?
これにも一応(今度は哲学だけど)定義があるんだ
「破壊されることもなく 形態が様々に変換する根源的な何か」
哲学らしいあやふやな定義だけど
アリストテレスさんがはるか昔に言っていた言葉を借りると
『可能態』
『習得態』
『現実態』 のうち
『現実態』の部分が『力』ってことなのかもしれない
ようするに『力』ってものは
本来モノには可能態として『力の根源』があって
それが現実に具体的な働きとして現れるもの
そう 『現実態』という形をとったものが
『エネルギー』だ って考えかたなのかもしれない
エネルギー Ⅱ
『力』ってものの正体は完全には解明されていないんじゃないかな
力というより相互作用って言うほうが正しいかもしれないけど
一応4つの力が (電磁気力 重力 強い力 弱い力)
あるんじゃないかってされているよね
果たしてそれだけで収まるんだろうか
もしくは ぼくたちの目には多種の力があるように見えるけど
本質は一つの力の現れ方の違いかもしれない
まあ その辺りはこれからの研究に任しておくとして
とにかく物にはなにかの本質的な『力』があるってことは
なんとなく認められているんだ
その『力』が働いた結果様々なモノの変化が起きる
その変化を起こすために実際に使われる『力』を
『エネルギー』 と呼ぶってことらしい
ただこれも 変化の仕方が種々に分かれちゃっている
今のところ 名前が付けられているものとして
『位置エネルギー』
『運動エネルギー』
(この二つは力学的エネルギーとしてひとまとめにされている場合もあるね)
続いて 馴染みのあるところで
『熱エネルギー』
『電気エネルギー』
『化学エネルギー』は難しそうに思えるけど
単純な例としてはガソリンで車が走るなんてのかな
それに
『光エネルギー』
『原子エネルギー』
なんていうのもある
とにかく変化をもたらす力を
(力学で言うならば動かす かな)
エネルギーと呼ぶってことだね
この言葉にしたってたかだか200年前(1807年)に創られた言葉
まだまだ研究の余地はあっておかしくは無い
エネルギー自体の定義が確定していない状況の中では
種々の説が出てくるのは仕方が無いよね
その中で 質量ってものがエネルギーと交換できるんじゃないか?
なんていう 突拍子のない説が出て来ちゃったんだ
突拍子のない説を発表するのが得意のアインシュタインさんだね