もう少し 特殊相対性原理

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ローレンツとアインシュタイン

ローレンツさんの変換式は

マクスウェル方程式をどの慣性系でも

不変に保つための計算式ってこと

単純に言っちゃえば電磁気学の方程式を

ガリレオ変換したときに起こる問題を

なんとか解決する方法を考え出したってことだね

マクスウェルの方程式を

ガリレオの相対性原理に当てはめるという

曲芸みたいなことをやったってことかも

ローレンツさんも天才だったのは間違いない

矛盾を起こしている力学と電磁気学を

数学上なんとかつなぎ合わせたんだから

ただ 無理やり力業で繋いじゃったものだから

その数学上の理論建ては難解になっちゃった

ローレンツさんとほぼ同時期に出て来たのが

アインシュタインさん

アインシュタインさんが言っている

仕事の3つのルールってのがある

有名だから知っているかもしれないけど

*乱雑さからシンプルなものを見つける

*不和から調和を見つける

*困難の中に機会がある

ってやつだね

この作業を

ニュートン力学と

マクスウェル電磁気学の間でおきている

矛盾に適用しちゃった

もともとこの二つの理論は矛盾を含んでいたんだよ

ニュートン力学は

『ガリレオ変換』と『ガリレオ相対性原理』を

土台に置いていた

そして ガリレオさんの時代には

電磁気学が確立されていなかった

電磁気学はガリレオ変換では変換しきれない

その問題が出てくるのは当たり前の話なんだ

ローレンツ変換

ローレンツさんのスタートは

『エーテル』があるという前提

絶対静止状態のはずの『エーテル』を媒体として

進むはずの光の速度が

どの慣性系で計測しても一定だという実験結果

この二つの矛盾する状況に説明を付けるようとした 

そういうことなんだろうね

物理学は仮説→実験・検証→確認 という作業の繰り返し

実験・検証で仮説に不具合が出れば

対応原理を見つけるか

仮説自体の見直しをしていく

その対応原理を見つけようとしたってことだろうね

初めにエーテルの中を進むすべてのものが

縮むという仮定を出した(ローレンツ収縮)けど

それだけだとマクスウェルの方程式の解釈が

物凄く複雑になっちゃうそうだ

そこで 今度は逆に

マクスウェルの方程式の形を変えない

というところから出発した

変換式(ローレンツ変換式)を編み出したわけだね

ところがこの変換式で変換すると

ものが縮むだけじゃなくて

時間まで変更を余儀なくされちゃうことになっちゃった

時間が縮むって簡単に言っちゃうけど

実際のところ『時間』というものが

『絶対時間』以外で研究されることって

まずなかったんじゃないかな

客観的時間と主観的時間とか 絶対時間と相対時間なんて

観測者の主観によって左右される時間の概念は

あったかもしれないけど

特殊相対性理論 Ⅰ

同じ時期に

ニュートン力学のガリレオ変換とガリレオ相対性原理では

電磁気学がうまく説明できないってことに

着目していたのがアインシュタインさんだね

この人のおかしいところ(?)

けっして特殊相対性理論一本の

研究をしていたんじゃないってところ

奇跡の年と呼ばれる

1905年に発表された4つの論文は

どれも違う研究だったもの

どうやら 当時の物理学上の重要な疑問や問題に

片っ端から取り組んだって感じなんだ

マイケルソン・モーリーの光の速度の実験で

どの慣性系でも光の速度が一定 ということが

電磁気学と矛盾しちゃうってことにも

首を突っ込んじゃった

前にも書いたようにアインシュタインさんの流儀は

シンプル(単純?)に が もっとう

矛盾の起きている部分だけを

ピックアップしたんだと思うんだ

まず 『エーテル』という

絶対静止の存在はいったん忘れておこう

実験の結果出て来たんだから

光の速度は光源の速度が変わっても

一定なんだってことを認めよう

物理法則が慣性系ごとに変わっちゃったら

物理学ってものは成り立たないんだから

どんな慣性系でも物理法則は同じだってことも

認めてしまおう

こんなに単純なはなしじゃないけど

そこからスタートしたんじゃないかな

エーテルについてはアインシュタインさん

否定も肯定もしていないんだよね

もっとも 相対性理論の帰結として

『絶対静止』というものは無いとしているから

ある意味否定しているとも言われているけど

だから 特殊相対性理論の骨子としては

光は光源の速度に影響を受けない ってことと

どんな慣性系でも物理法則は同じ ってことだけなんだ

光源の速度に影響を受けないって

光を波だと仮定すれば当たり前のことなんだけど

そうなると媒質はなんだ? って

議論が起こっちゃう

だから 実験の結果

光の速度がどの慣性系から見ても同じ

だってことだけを受け入れて

光が波なのか粒なのかとか

宇宙にある媒質ってなんだ? なんていう議論は

おいておこうよってこと

光の速度はどの慣性系から見ても

一定ってことだけを前提にしちゃおうってことだね

物理法則がどの慣性系でも同じって考えは

ガリレオさんの相対性原理と同じように聞こえるけど

ガリレオさんは電磁気学確立以前の人

ガリレオさんの頭の中には

力学の物理法則しかなかったんだと思うんだ

だから 電磁気学と矛盾を起こしちゃった

だから アインシュタインさんは

相対性原理で同じとされる『物理法則』は

電磁気学も含むって主張したんだね

特殊相対性理論 Ⅱ

ガリレオ相対性原理が電磁気学と矛盾しちゃうということは

力学中心のガリレオ変換に何か欠点があるんじゃないか

力学と電磁気学が矛盾を起こした時に

原因として考えられた一番の部分

電磁気学の物理法則もどの慣性系でも同じ 

そういった変換式があれば問題は無いよね ってこと

そして その変換式はローレンツさんがはじき出していた

ローレンツさんの変換式は

マクスウェル方程式をいじくりまわして

なおかつ ニュートン力学との整合性を求めるために

苦労して作られたものだけど

もっと単純に光の速度が一定ということを前提に置いちゃうと

簡単(?)に同じ結論が出てきちゃうんじゃない?

というのがアインシュタインさんの主張

ガリレオ変換を変えると

当然ニュートン力学の根本が揺らぐよね

ただローレンツ変換で使われる

ローレンツ因子γは1/√1-v2/c2

v2の値がc2に影響を与えるほど大きくならない限り

ほぼγ=1になっちゃうんだ

だから ニュートン力学で算出されていた物体の運動方程式は

近似値だとしても

それまでに行われた検証実験の否定にはつながらない

だからガリレオ変換をローレンツ変換にすることで

ガリレオ相対性原理が電磁気学をも含む特殊相対性原理に

置き換えることが可能だって結論付けたんだ

ある意味 単純でそして大胆な発想

だけど今のところ 後追いの実験結果で

否定的な結果が出ていないから

(それこそ 今のところ)『正しい仮定』

ってことになっているんだね

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