生命記号論

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記号=情報?

調べてみると

『生命記号論』ってものは

現代でもそれほどメジャーな

考えかたじゃないみたいだね

ホフマイヤーさんという

生化学者が提唱した考え方なんだけど

この『記号論』っていうのは

前に書いた

アメリカのプラグマティズムで有名な

パースさんの

「人間は記号を使わずに

考えることはできない」

ってところから来ているみたいなんだ

ホフマイヤーさん

エクスキュルさんの

『環世界』で

生物はそれぞれの主観を客観として

認識しているという考えと

パースさんの

記号を使わずに考えることはできない

(「人間は」という部分をとっぱらちゃったんだね)

という考えを

合体させたのかもしれないね

だから

『記号論』という言葉を使っているけど

意味合いとして『生命情報論』なんだ

と評したほうがいいという人もいるみたい

唐突に『情報論』なんて言葉が出てくるけど

遺伝子を設計図という言い方は

わかりやすいけど

前にも書いたみたいに 設計図だと

だれか外部の者が書いたものを

渡されるって感じがするから

最近では

情報ってものを伝えるために

遺伝子はあるって言い方を

するらしいんだ

『生命記号論』というのは

生物の目的が

種族繁栄だと仮定されているけど

じつはその種の持つ

『情報』を繋いでいくことが目的だという

もう一つの『仮定』を出してきたんだね

情報

情報を伝えるって

納得できそうなんだけど

すこし疑問もあるんだ

単純に言葉の使い方だとは思うんだけど

『情報』ってなんだろう ってね

ぼくの子供の頃なら

情報っていうのはなんとなく

敵の秘密にしているもの

って感覚があったんだ

スパイのことを

情報部員なんて言ってたもんね

情報と諜報っていうのを

同じような意味に使ってたような

気がするな

だから 情報って言うのは

自分にとって

価値があるデータってな感じで

使っていたような気がするんだ

いつもことで

『?』のついた言葉は調べてみよう

情報とはなにか? ってことだね

ところが

出て来た最初の回答が

「情報とは何かという問いに

ただひとつの答えを与えることは困難である」

なんだから

困ったもんだ

もともとの語源は

英語の “information”

informの名詞形で

(心において)form(形)を与える

って意味があるそうだ

語源としてはラテン語の

Informationem

(=心・精神に形を与える)

ってことらしい

もっと語源を遡れば

ギリシャ語のeidosという語にも

なるらしいんだ

これって 

プラトンさんのidea(イデア)

にも繋がっちゃうんだね

どうやら 

情報という用語information

歴史的に見ると

哲学的な意味を

持っているみたいなんだよ

情報とはなんだ?

ぼくみたいな素人が考えるならば

『情報』とはデータのことかな

事実とか真実 

知識や信号もそうだね

それらのデータを

伝えるという『伝達行為』が

情報じゃないのかな

今 一応生物学のことを調べているんだから

『情報』っていうものを考えるときにも

やはり生物学の分野で

考えたほうがいいのかもしれない

生物学では

生体が働くために用いられる

指令や信号のことを

言うんだそうだ

痛いとか 痒いとかの

神経情報や

内臓なんかの生態シグナル

だけじゃなくて

遺伝子に保有されているものや

遺伝子の書き換えについても

情報って言うらしい

もちろん

光や音 熱い寒いなんかの

生命に影響を与えるものすべてが

情報ってことだそうだ

だけど

『情報』ってものを

もう少し掘り下げてみると

informすなわちフォーム(形だね)を

受け手の精神や心がどう映し出すのかって

意味にもとれるんだよ

これって

存在と認識の関係

だとも言えるよね

存在をデータや資料と考えると

そのもの自体には意味は無い

言い換えれば

スカラー量だってことになっちゃう

それが

フォームってことだね

その存在(データや資料)に

生物が意味を持たせる(分析する)と

変化や兆候を表す存在

すなわち方向性のある

ベクトル量になっちゃう って

考えかたとしては

おかしくないような気がするんだけど

そのベクトル量を

『情報』と呼ぶってことにすると

なんとなくすっきりするように

思えるね

と いうことは

情報が情報として存在するためには

データなんかを読み取る

『なにか』の存在が

必要になるってことじゃない

その『なにか』を

『生命』の存在意義だ

というのが現在の大勢じゃないのかな

ちなみに

日本で『情報』という言葉が

現在使われているような形で

定着したのは

1950年くらいらしい

ノイマンさんたちと組んで

コンピュータの基礎を築いた

シャノンさんが

(電気工学者・数学者)

提唱した

『通信理論(インフォメーション・セオリー)』を

和訳したとき

当時 直訳しちゃって

『情報理論』って紹介したことが

現在での情報の意味を

決めちゃったらしいよ

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