DNA
RNAが大工さんのように
(もしくは製造工場)
タンパク質を素材にして
細胞を作っていく
個体の形質(姿かたち)の
成り立ちとしては
それで説明できるよね
ただ 現場としては
そうなんだろうけど
やはり遺伝という
形質を繋いでいく作業で
一番重要なのは
設計図としての
DNAなんだろうな
ぼくたちが遺伝っていっているのは
このDNAなんだと思うんだ
人間の子供は人間
猫の子供は猫っていうのは
DNAの働きなんだと思うよ
だからわからないなりに
DNAのことを
書いてみよう
例としてわかりやすいように
人間で考えてみるよ
人間の細胞の核には
46本のDNAが
あるそうなんだ
どこかで見たことが無いかな?
らせん状につながった
リボンみたいな
DNAの画像を
あんな感じのリボンが
46本あるってことだね
このリボン
46本合わせると約1.8m
それが細胞の核の中に
折りたたまれて
収納されているってことらしい
細胞って だいたい5~10μm
(μはミクロンだよ
1μmは1000分の1㎜だね)
そんな小さな箱の中に
1.8mもある身体を
押し込められるんだから
DNAさんって
さぞ窮屈な思いを
しているんじゃないかな
リボンというか
二本のひも状のものを
(ヌクレオチドっていうらしいけど)
らせん状に繋げている図って
けっこう紹介されているけど
1.8mもの長さのあれが
細胞の中に
折りたたまれているんだそうだ
DNAの仕組み
DNAを書き出すと
『核』『遺伝子』『ゲノム』
『塩基対』『染色体』etc
一つ一つ説明するだけで
すさまじい量になるから
やめておくね
なにより はっきり言って
ぼくにはあまり興味が
わかないところなんだ
だから単純にDNAには塩基
(アルカリ物質みたいなもんだね)
ってものがあって
その配列が遺伝情報になる
って軽く流しておこう
(他人には言わないでね
たぶん間違っていると思うから)
その塩基が対になって
DNAを構成している
ってことらしい
塩基だなんて言われても
門外漢のぼくには
わかるはずがないよね
また よく知っている人には
怒られるとは思うんだけど
ぼくのイメージを書いておこう
1.8mものDNAというリボンに
いっぱいスウィッチが並んでいる
ってことで良いんじゃないかな
そのそれぞれのスウィッチを
onにするかoffにするかの情報を
設計図として書き込んであるのが
DNAってことで
許してもらおう
もっとも単純にスウィッチ
なんて言っているけど
一本のDNAという
リボンにあるスウィッチの数は
60億個くらいもあるんだそうだ
その塩基配列のうちの
(スウィッチだね)
1~2%が遺伝情報を伝える
ってところまでは
わかっているみたいなんだけど
じゃあ 残りの98~99%はなんだ
ってことになるけど
今のところ
わかっていないみたいだね
どうやらコンピュータの基盤と一緒で
0・1配列で情報を
伝えているらしいけど
詳しくはこれからの
研究待ちってところかな
0・1配列なんて
カッコいい言葉だけど
要はスウィッチの
オン・オフってこと
その スイッチの
オン・オフの組み合わせで
遺伝という情報を
伝達しているってことなんだろうね
遺伝と進化
DNAが設計図として
形質を遺伝させるってことは
なんとなくわかるよね
でも 不思議じゃないかな
設計図を引き継いでいくってことは
親と同一な子供を作るってことが
目的になるはずじゃない
親と子だけじゃなく
はるか昔の祖先から
はるか未来の子孫にまで
おなじような形質を
引き継いでいくってことだよね
極端に言えば
『クローン再生』
みたいなものじゃないのかな
確かに2性生殖の場合だと
雄と雌の半分ずつの形質を
継いでいくことにはなるけど
根本的な目的は
自分たちと同じような個体を
生み出すってことだよね
ところが長い年月の間に
生物は変化していく
ということもまた
正しいとされているんだ
これってどこか
おかしいと感じないかな
『同一性』と『変化』が
共存しているなんて
『粒子性』と『波動性』が
共存している量子力学みたいで
無理やり感が
半端ないと思うんだけどな
これをなんとか
説明しようってことで
『進化論』ってものが
出て来たんだじゃないのかな
(やっともと来た道に戻れそう)
進化
進化論と言えば
ダーウィンさんが有名だよね
その基礎にあったのが
ラマルクさんの
『用不用説』じゃないか
って言われている
『用不要説』っていうのは
生物が特定の器官を
よく使えば発達して
使わなければ委縮するっていう
個体の原理が
遺伝していくって仮説
獲得形質が遺伝するという
極端に言えば
学習して得たものが
遺伝するという考え方だね
もっともちょっと前までは
どちらかと言えば
否定的に捉えられている
説ではあったんだけど
もしも この説が正しいとするのならば
DNAという設計図は
個体の行動が逆転写
(書き換える)
できるってことに
なっちゃうものね
ところが つい最近までの
遺伝子の研究では
この逆転写は起こらないってことに
なっているんだ
では 本来
『同一性』を目的とした遺伝が
どうして変化してしまうのか?
という 疑問が出てくるよね
一つは
『中立説』って言うのが
考えられるらしい
進化って言うのは
突然変異と遺伝的浮動が
主因だってやつだね
突然変異はよく聞くと
思うんだ
遺伝的浮動っていうのは
個体が繁殖に
成功するかどうかはあくまで
偶然によって決定されているから
偏った形質だけが遺伝していくことも
あり得るってやつ
たまたま偏った
遺伝子が生き延びる可能性も
あるよってことだね
もう一つは実際に
DNAという設計図は
DNA→RNA→アミノ酸(タンパク質)
というルートを通るんだから
アミノ酸→RNA→DNAという形で
逆転写が起こるんじゃないか
という仮説
今のところは
認められてはいないけど
ウィルスあたりでは
この逆転写を起こす仕組みが
見つかっているみたいなんだ