まとめてみよう
ティンバーゲンさんの
4領域の主張は
目新しいものじゃないと
考えてもいいんじゃないかな
量子力学で
ハイゼンベルグさんが
提唱したとされる
『不確定性原理』と同じで
生物・心理学の根本として
当然出てくる考え方を
明確にした
ってことだと思うんだ
ただ 細分化した研究の中
特に個体の種の中での変質性と同一性に
研究の矛先を向けてしまうと
遺伝の影響ってものがぼやけちゃったんだ
精神そのものを計測する という
手段を持たない現在では
『行動』というものを通して
それを推し量るしかない
と いうところは
共通認識だと思うよ
では 『行動』とは
なんだろうってことになるよね
行動
ひとつの定義として
行動遺伝学者が言っているのが
「行動こそがその個体が持つ
すべての身体構造や機能によって支えられた
『最終手段』として生命を維持し
種を維持するための役を果している」
っていうのがあるんだ
行動は確かに
精神活動の軌跡を残す
ただ 行動の出方は
個体の持つ身体構造や機能で
制限されちゃうんだ
と いうことは
行動は身体構造・機能・精神の
複合系として出てくるってことだよね
生物の最終目的はわからない
よく言われるように
種族を維持発展させるってことが
目標なのかもしれないけど
ぼくたちには見えない
目的があるのかもしれない
そして行動は
精神だけじゃなくて身体構造や機能という
種の特性に制約されちゃう
ってことなんだ
もう一つ 環境も
忘れてはいけない
環境は個体の行動を
変容させる要因になるよね
でも それだけじゃなく
『行動』という生物の反応に対しての
判定役にもなっちゃう
さらに環境が生物の進化(遺伝)を
変えることもあるんだ
個体の行動は
種のための行動なのかもしれないし
別の何かを手に入れるため
なのかもしれない
ただ 行動(現時点での)は
進化・遺伝・環境の影響が
大きいことは確かなんだ
行動意義
精神を考えるときに
その指標となるのは
『行動』ってことになっている
そして『行動』は
進化・遺伝の影響を受けているのも
間違いないと思えるんだよ
同一種の中での変異性の研究は
基本の身体構造や機能の中での変異性の研究
だということを認識している必要が
あるよね
だけど 各研究者(細分された)が
自身の研究の出した結果の判断を
しばしば混同していた節があったんだ
その整理の為に
わざわざ簡潔にまとめ上げた
4領域の土台が必要だったわけ
個々の研究者自身の中では
当たり前のように
自身の研究分野のことが
分かっている(はず)
だけど科学の研究には
(だけに限らないけど)
自分だけの独りよがりは
許されないんだよな
すくなくとも同業者の間では
研究成果の共通認識が必要なんだ
実際のところは
4領域だけでは区別できないものもあるし
複雑に絡み合っていることも
あるかもしれないけど……
とにかく ひとまずの枠組みを
作っちゃおうってことなんだろうね