ティンバーゲンの4領域

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ティンバーゲンの分類 Ⅰ

ティンバーゲンさんは

生物を考えるときに重要だとした

A 個体が発生(成長)していく中で

どのようにしてその機能ができていくのか

B どのようなメカニズムで

その機能がはたらくのか

C 進化の過程で

なぜその機能が変化したのか

Dなぜ現在

その機能をもっているのか

という項目を

まず2つに分類した

AとBを今現在の

生物の持っている機能

ということで『至近要因』

CとDを今現在の機能に

至るまでの

進化の過程

ということで

『究極(進化)要因』

という2つに分類したわけだ

さらに 今現在の機能という考えかたにも

現在という一瞬を切り取った考えかたと

現在に至るという変化の過程を

時間経過と共に観察するという考えかたに

分類したんだ

AとCは時間経過と共に

機能が変化していく状態に着目しているから

『動的要因』

BとDはある時点での

機能だけに着目しているから

『静的要因』

という分け方だね

結果として

至近要因+動的要因

至近要因+静的要因

究極要因+動的要因

究極要因+静的要因

という 4つの分類ができちゃったんだ

ティンバーゲンの分類 Ⅱ

上に書いたA~D

至近・究極・動・静での分類を

繰り返しになっちゃうけど

書いてみよう

至近要因+動的要因は

ある個体の機構は

どのような過程をたどって

発達するか という

『発達要因』(個体発生要因とも言うけど)

ということになる

至近要因+静的要因は

どのように生物の機構が

動くのか という

『機構(メカニズム)要因』

ってことだね

今度は究極要因に

行ってみよう

究極要因+動的要因は

進化の道筋の中で

どのように変化していったのか という

文字通りの

『系統発生要因』

になる

究極要因+静的要因は

現在の環境の中で生殖や生存に

どのようにその機能が

寄与しているか という

『機能(適応)要因』

生物の持っている

ある機能について考えるとき

この4方向の

どの視点での考察なのかを

分かっていなければ

そこから導き出される結論に

大きな誤差が出るってことなんだ

研究の基礎としての4領域

ティンバーゲンさんの分類分けが

なぜ必要になったんだろう

4つの分類分けなんて

すでにアリストテレスさんの時代に

作り出されていたのにね

一つ考えられるのは

科学が細分化され過ぎたということが

考えられるよね

不思議な出来事を

「どうしてだろう(なぜ)?」って

考えを巡らしていたのが

哲学だったと思うんだ

その哲学が形而上学と自然学に

分かれていった

そして 自然学は

ぼくたちが学校で習っただけでも

物理・化学・生物学・地学なんて

分かれていったんだよね

それだけじゃすまない

分かれていった先で

ますます細分化されていって

今じゃどれほどの専門分野があるのか

分かっている人って

ほとんどいないんじゃないかな

それだけ個々の研究の精度が上がり

より深い思索が必要に

なって行ったっていうのは

科学の発展には素晴らしいことだけど

問題点も出てきちゃったんだ

今 行動遺伝学について

書こうとしているんだから

ひとまず生物学で考えてみよう

よく例えに出されるものに

生物(の一部)は

なぜ 物を見ることが

できるのかっていうのが

あるそうなんだ

生物の目が見える理由として

すぐに考え付く

「目は食べ物を見つけ危険を回避する

助けになるため」

っていうのが

一般的な答えだと思うよ

だけど それ以外にも

「特定の進化の過程で目が形成されたため」

とか

「眼がものを見るのに適した機構を持っているため」

なんていうのもあるよね

少し捻った意見だと

「個体発生の過程で眼が形成されるため」

なんて答え方があるそうなんだ

どんな視点でその生物を研究するかによって

その疑問への説明や回答は

全く異なるものになっちゃう

一つ一つバラバラなそれぞれの研究から

総合的な結論を出そうとすると

困ったことがおきる

バイアスのかけ方 アプローチの仕方で

自分の領域から外れた研究者との議論が

かみ合わなくなっちゃうし

お互いの研究が混じり合ったときに

まるで異なった結論が出る可能性さえ

持っているんだから

自分の立ち位置を認識しておくことが

どうしても必要になっちゃう

だから4領域が

土台として考えられたんだよ

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